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♪ 受話器を外したままね、話し中~

ときどき中島みゆきを聴きたくなり、また、歌いたくもなる。

べつにカラオケじゃなくってもいい、部屋で口ずさむこともあれば、チャリの疾走中に「そこそこ」でかい声で熱唱することもある。
女子だけど高い声のひとではないからね、チューネン男子でも歌い易いのだ。

数ある名曲のなかで最も好きなのは、同率で『狼になりたい』『悪女』のふたつ。

ともに切ない歌だが、『悪女』はとくに切ない。
さらにいえば、歌詞に「その時代」というものがいくつも刻印されていて、読むだけでいろいろと感慨深くなる。

♪ 土曜でなけりゃ 映画も早い

とかさ、

♪ ホテルのロビーもいつまで居られるわけもない

とかさ。

極めつけは、きょうのタイトルに冠した「♪ 受話器を外したままね、話し中~」だろう。


まさかね。
キャッチホンやナンバーディスプレイなんていう機能が生まれるとは思わなかったし、ケータイなんてSF映画のレベルだったわけで。

よい時代になったが、いまでは大事な告白も、
そしてこの感覚にはついていけないのだが、遅刻や欠勤の連絡も、ケータイなのだそうである。

映画の小道具で一番人気なのは、(たぶん)電話。
歌と同様、現実社会に「もろに」反映されていく世界だから、テクノロジーの進化とともに、その扱いかた、さらにいえば物語そのものも変わっていってしまうもの。

極論をいえば、昔は通用した物語も、現代では通用しない。
でも、その逆もいえて、昔は「なし。」だった物語が、現代では「あり。」になった。

というわけできょうは、「映画のなかにおける、小道具としての電話」で印象に残った10傑を展開してみたい。


(1)『天国と地獄』(63)

逆探知を導入したばかりのころは、いろいろ大変だったのです。

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いまはGPSで追跡出来るし!

(2)『セルラー』(2004)

家の電話とケータイの両方を活用。

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技ありの佳作だったと思う。

(3)『インファナル・アフェア』(2002)

血の付着したケータイがつなぐ、潜入捜査官と潜入ヤクザ。

(4)『太陽を盗んだ男』(79)

主人公は、まず、誰かと話したかったのだ。

(5)『ハピネス』(98)

テレホンセックスやテレクラも、昔の風俗になりつつあります。

(6)『フォーン・ブース』(2002)

電話ボックスも、探し難い時代になりました。

(7)『ダイヤルMを廻せ!』(54)

古典中の古典。いま観返してみると、かえって新鮮かもしれない。

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(8)『ヴァージン・スーサイズ』(99…トップ画像)

受話器越しに聴くレコード―ちょっとキザだが、ソフィア・コッポラは巧いなぁと思った。

(9)『レインマン』(88)

弟(トム・クルーズ)は電話ばかりしていて、兄(ダスティン・ホフマン)と向き合うことをしない。

(10)『羊たちの沈黙』(90)

「レクター博士、レクター博士…」と呼びかけても、一向に返しはありません。





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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『♪ But I’m a creep』

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