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Channel: Cape Fear、in JAPAN
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チラシの量で景気がわかる

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某日―。

取材を終えて帰宅すると、玄関前に新聞屋さんからのサービス品が届けられていた。

契約更新のお礼ね。

ビールくれる新聞屋さんも減ってきていると思うが、拡張員さんにいう口癖が「ビールもらえるんだったら、いつでもサインしますよ」だからね、きっと顧客リストの備考欄に「ビールで落とせる」とか書いてあるのだろうと思う、
だって最近は、開口一番「ビールでどうですか」とくるからね~笑

紙の時代じゃないことは分かってる。
「昔は取っていたけど…」というひとも多いだろうしね、

実際、届けられた新聞をそこまで読み込んでいるわけじゃない。
はっきりいえば、映画情報が充実している金曜の夕刊だけで充分なんだよね、
月4000円だし、もったいないっちゃあ、もったいない。

でも。
やっぱり、新聞奨学生をやっていた過去が効いている。
情が移ってね、断れないんだよ。

紙の時代じゃなくなって売り上げが落ちている状況で、さらにコロナショックが発生して。
売り上げの大半が広告収入なわけで、しかしいま、朝刊のチラシってモノスゴ少ないんですわ。

最寄りのスーパーやホームセンターなんて、ふつうはしつこいくらいにチラシ入れるよね?
しかし向こうもコロナショックで、チラシを刷るどころじゃないんだよね。

そういう状況が容易に想像出来るので、新聞屋さんにはクールな態度が取れないのです。


結論。
新聞屋さん、映画館、格闘技、それから、脚美人の女子。

このあたりに、自分はめっぽう弱いのであった―。



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明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(194)檀れい』

にっぽん女優列伝(194)檀れい

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71年8月4日生まれ・48歳。
兵庫出身。

公式プロフィール…そうか、有吉ちゃんと同じ太田プロなんだ!?


あのひとも、このひとも宝塚?
そちらの世界に明るくはないので、あらためて驚くことが多いです。

同じ「演じる」ことを生業にしているはずですが、映画やテレビとは何億光年も離れているイメージがあるんですよね。
昔ほど敷居が高くない、、、というか、もともとそこまで高くなかったはずなので、こっちが興味を抱けば、いろいろ知ることが出来るはずなのですけど。

というわけで、檀れい(だん・れい)さんの登場です。

映画俳優デビューして以降もしばらくは、元旦那がミッチー及川光博、そして金麦のCMのひと、、、というイメージだったりしたのですが汗汗


<経歴>

90年に宝塚音楽学校入学、92年に第78期生として宝塚歌劇団入団。
繰り返しますが、この世界についてはよく知りません。
恥ずかしげもなく受け入りで書きますと、学校の成績も芳しくなく、劇団入団後もしばらくは小さな役しか当てられなかったそうです。

98年ころより才能を伸ばし始め、ヒロインに抜擢されるようになる。

2005年、退団。
翌年の2006年、『武士の一分』で映画俳優デビューを飾る。

監督は山田洋次、しかもキムタクの妻役―業界では名が通っているとはいえ、幸運なデビューだと思います。

山田洋次に好かれたのか、『釣りバカ日誌18 ハマちゃんスーさん瀬戸の約束』(2007)、『母べえ』(2008)とつづけて山田系? 作品に出演、

酷評されるほどひどいとは個人的に思わなかった『感染列島』(2009)、



『スノープリンス 禁じられた恋のメロディ』(2009)、『忍たま乱太郎』(2011)、『逆転裁判』(2012)、『ガール』(2012)。

2013年、この年の初めに亡くなった詩人・柴田トヨの伝記映画『くじけないで』に出演。
幼少期を芦田愛菜、晩年を八千草薫、30代を檀さんが熱演し見応えのある佳作に仕上がってます。

個人的には、この映画こそ檀さんの現時点における代表作ではないかと。

『利休にたずねよ』(2013)、『四月は君の嘘』(2016)、『ママレード・ボーイ』(2018)、
『ラプラスの魔女』(2018)、


そして最新作が、『累 ―かさね―』(2018)。


強くて、クールなキャラクターとか似合うと思うのですけれどね、日本のシャーリーズ・セロンというか。
そういう映画に出てほしいです。

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明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(195)津島恵子』

にっぽん女優列伝(195)津島恵子

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26年2月7日生まれ・2012年8月1日死去、享年86歳。
長崎出身。

津島恵子(つしま・けいこ)さんといえば、やっぱり『七人の侍』(54)の志乃役でしょう。



黒澤ほか3人で編み上げたキャラクター設定が素晴らしいじゃないですか、
村は守ってもらいたい、
そのためには自分たちは「ひえ」を食い、侍たちに「米」を提供することだって厭わない。
けれども「若い女性」の存在を侍たちに知らせてしまうのは危険ではないか―そこで志乃は、、、という。

起こり得るすべての事柄に目を配ること。
映画の脚本づくりにおいて最も大事なことを怠らなかったからこそ、生まれたキャラクターともいえますよね。

※三船との、ほっこりショット


<経歴>

47年―松竹専属の俳優として、原節子主演の『安城家の舞踏会』でデビューを飾る。

『君待てども』(49)、『悲しき口笛』(49)、『長崎の鐘』(50)、『海の花火』(51)、『純白の夜』(51)、『魔像』(52)などなど、主役を演じることは滅多にないものの、20代前半でありながら安定感のある演技力を披露し、二番手三番手を好演していく。

とくに松竹専属としては最後の出演になった、小津の佳作『お茶漬の味』(52)は強く印象に残ります。

53年、今井正の『ひめゆりの塔』で宮城先生を熱演し高評価を受ける。

『魅せられたる魂』(53)、『女性に関する十二章』(54)、『足摺岬』(54)、そして『七人の侍』で岡本勝四郎(木村功)と恋に落ちる志乃を演じ、多くの男性ファンを獲得しました。



『国定忠治』(54)、『人間魚雷回天』(55)、『浮草日記』(55)、『由起子』(55)、『たそがれ酒場』(55)、『鬼火』(56)、『彼奴を逃すな』(56)。

57年に結婚、芸能活動は休業状態に入りますが、70年代に復活。

『日本ダービー 勝負』(70)、『二人だけの朝』(71)、『あした輝く』(74)、
「ゲスト出演」的なポジションが多くはなりますが、
『潮騒』(75)、『スリランカの愛と別れ』(76)、『喜劇 大誘拐』(76)、『男はつらいよ 寅次郎真実一路』(84)、『春来る鬼』(89)、『あした』(95)、『告別』(2001)、『なごり雪』(2002)などに出演し、熱心なファンを喜ばせたそうです。

しかし2012年8月1日、胃がんのため息を引き取りました。

享年86歳、合掌―書いてたら、また『七人の侍』を観たくなってしまいました。

もう、ソラで全シーンを説明出来るくらい何度も観ているのですけれどね。

あらためて、すんごい映画だと思います。

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明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(196)土屋アンナ』

にっぽん女優列伝(196)土屋アンナ

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84年3月11日生まれ・36歳。
東京出身。

公式サイト


土屋アンナ(つちや・あんな)さんを知ったとき、


日本のコートニー・ラヴかな、そのあたりを目指しているのかなぁ…


と思っていたら実際にそうだったので、おぉ自分の勘も捨てたもんじゃないな!! って、コートニー知っていれば誰でも気づくかもしれませんね苦笑


※さくらんは熱演で好感を持ちましたが、蜷川実花のこけおどし演出は趣味じゃないので苦笑


<経歴>

日米のハーフ。
モデル・歌手としても活動、4人の子どもを待つパワフルママでもある。
また、所属する事務所「モデリングオフィスAMA」の代表はアンナさんの母親が務めています。

姉の影響で、雑誌『SEVENTEEN』の専属モデルを始めたことがきっかけで芸能界入りを果たす。

2002年、ロックバンド「Spin Aqua」を結成しボーカルを務める。

実質的な映画俳優デビュー作は、2004年の『下妻物語』。
深キョンと好対照をなすキャラクターを好演し、数多くの新人賞に輝く。

『茶の味』(2004)、
フックン布川敏和が監督、及第点は充分に超えていた『バッシュメント』(2005)、
『アルバイト探偵』(2006)、『嫌われ松子の一生』(2006)、『どろろ』(2007)、
そして『さくらん』(2007)で堂々の主演。

しつこいけど、極彩色が身上の蜷川実花さんと相性がよくないんですよ個人的に苦笑

『パコと魔法の絵本』(2008)、『ヘブンズ・ドア』(2009)、『カムイ外伝』(2009)、
『RETURN ハードバージョン』(2013)、『S ―最後の警官― 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE』(2015)、

ここまで好演がつづくものの、なかなか『下妻物語』を超えられなかったアンナさん、、、ですが、『GONIN サーガ』(2015)で元アイドルを熱演、自分にとってはこの傑作がアンナさんの現時点における代表作です。



ここ数年、スクリーンはご無沙汰。
コートニーと同じ可能性を感じさせてくれるひとなので、もっともっと映画に出てほしいですね。


次回のにっぽん女優列伝は、土屋太鳳さんから。

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明日のコラムは・・・

『外国女優別キャリア10傑(27)ジェニファー・ジェイソン・リー』

外国女優別キャリア10傑(27)ジェニファー・ジェイソン・リー

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~ジェニファー・ジェイソン・リーのキャリア10傑~

撮影中の事故で亡くなったヴィック・モローの娘―そんな風に紹介するひとは、もう居ないでしょう。

フツーにしていれば? 美人なのに、それでは満足出来ない。
頭のおかしなキャラクターであれば「あるほど」輝く異色の女優さん、58歳。

こういうひとが「複数」存在するから、ハリウッド映画は強いのです。


(1)『ルームメイト』(92)

ブリジッド・フォンダとW主演したサスペンス。


派手なルームシェア相手に憧れ、彼女を真似るどころか「彼女自身」になろうとする残念な女を熱演。

充分に美人なんだけれどね~。


(2)『黙秘』(95)

スティーブン・キング原作、キャシー・ベイツ共演のミステリー。

秘密を抱える母親と対峙し、ベイツに引けを取らない演技力を見せつける。


(3)『未来は今』(94)

コーエン兄弟が得意とする、「大ホラ話」を軸としたコメディ。

ここまでクセのないキャラクターを演じるジェニファーも珍しいが、クラシカルな感じも悪くない。



(4)『ヒッチャー』(86)

低予算ながら、きっちりとした演出と、俳優陣の力演―とくにルトガー・ハウアー―によって、80年代を代表するスリラーとなった傑作。

ジェニファーは、C・トーマス・ハウエルの相手役を好演。

まだ、初々しいです。


(5)『ヘイトフルエイト』(2015)

QTによる「西部劇」×「密室サスペンス」。

ジェニファーは紅一点、ビッチを嬉々として演じる。




(6)『イグジステンズ』(99)

クローネンヴァーグお得意の、異形系SF。

人体を「直接」接続する電脳世界の住人―ジェニファーにぴったりの役柄だと思う。

『クラッシュ』(96)に出てもおかしくなかったよね、ロザンナ・アークウェットの役とか。


(7)『ツイン・ピークス2017』(2017)

一本だけ、映画以外で。

なんてすばらしい死にざまだろう、ティム・ロスとともに。




(8)『初体験/リッジモント・ハイ』(82)

かなり過小評価されている監督のひとり、エイミー・ヘッカリングによる青春映画の佳作。


ジェニファーだけでなく、
ショーン・ペン、フィービー・ケイツなど、この映画をきっかけとして名をあげた若手俳優多し。


(9)『ブルックリン最終出口』(89)

ブルックリン85番街を背景に、若者たちのセックスや孤独を見つめたインディーズ。

ナンダカンダいって、ジェニファーがいちばん輝くのはこういう映画でしょう。


(10)『バックドラフト』(91)

消防士たちの活躍をオールスターキャストで描く。

男くさい映画ではあるが、
ジェニファーだけでなくレベッカ・デモーネイも好演していて、女優陣だって魅力的。

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明日のコラムは・・・

『Maestro』

Maestro

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映画文化に貢献し、確実にこの世界を面白くしてくれたプロフェッショナルが何人か鬼籍に入っているので、短めだけど追悼文、、、というか紹介文を書いておきたい。


【俳優、イアン・ホルム】…享年88歳。「サー」の称号を授与されているので、本来は「サー・イアン・ホルム」。

英国出身の名優。

79年、『エイリアン』のアッシュ役で有名に。


81年、『炎のランナー』の指導者役が高評価を受けオスカーにノミネートされる。

若い映画ファンには、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ(2001~2003)のビルボ・バギンズ役で親しまれた。



【映画音楽家、エンリオ・モリコーネ】…享年91歳

伊国出身。
マカロニウェスタンのクールなテーマ曲で頭角を現し、ハリウッドの大作からヨーロッパのインディーズまで幅広く手がけ、映画を音楽面から支えつづけたマエストロ。

ひたすら格好いい『アンタッチャブル』(87)、



哀切と痛切が美しい『ニューシネマ・パラダイス』(88)、



などなどなどなど名作を挙げたらきりがない。


2015年、『ヘイトフルエイト』で「やっと」オスカー作曲賞受賞。

壇上で涙するモリコーネを見てハッとした、これほどの大家でもオスカーほしかったんだなぁ、、、って。


【俳優、ケリー・プレストン】…享年57歳。

米国出身、ジョン・トラヴォルタ夫人としても知られる。


シュワ氏の相手役を務めたコメディ『ツインズ』(88)、トム・クルーズと共演し喘ぎ声で話題をかっさらった『ザ・エージェント』(96)などに出演。

乳がんだったそうで・・・。

57歳は若いもんなぁ、、、ホルムやモリコーネは素直に「おつかれさまでした」といえるんだけど。


つらいけど、みなさん合掌―。

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明日のコラムは・・・

『冬じゃなくて助かった~。。。』

冬じゃなくて助かった~。。。

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やっとこさ、久しぶりのライター業が軌道に乗り始めている。

正直ホッとしてますよ、自分が他者に勝っていることといえば映画愛と格闘技愛と速筆しかないからね。
速筆を武器として、なんとか「おまんま」が喰えているんです、コロナショックによって失職もあり得たわけだ。

けれどもこうして、モノを書いて毎日を生きている。
幸福ですよ自分は。

ホテルのマネージャーを辞して数週間は、思うようにコトを動かせなかった。

ので、久しぶりに派遣会社に登録、いわゆるスポットの現場で働いた。

大手通販サイト倉庫での、ピッキングと梱包。
冷蔵食品倉庫での仕分け。
クレジットカード請求書などの印刷物を封入していく作業。

3つの現場を経験、いずれも立ち仕事で足は疲れるが、難しい作業はない。
ただ軍手などは商品を汚してしまうおそれがあるため、作業は素手でおこなう。

春~夏の出来事でよかったと、切に思う。
乾燥肌の自分は冬になった途端に指のあたりが弱体化し、すぐに出血してしまうんだ。

冬の自分の手指は、絆創膏だらけ。

これだと商品に血が付着してしまうかもしれないし、きちんと作業をこなせなかった可能性が高い。


10ン年ぶりの派遣スポット、体力的な衰えも感じたが、それ以上に、この季節でよかったな、
それから、選ばなければ仕事はあるとはいえ、やっぱり自分には物書きがあっているなぁ、、、と実感した数週間でした。。。




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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(337)』

シネマしりとり「薀蓄篇」(337)

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れんきゅ「う」→「う」ちゅうじん

まず最初に、地球外生命体は存在するのかしないのか。

する。
と思うなぁ。

幽霊より可能性が高い気がする。

幽霊は存在したとしても霊感ないと見ることが出来ないであろうし「気配、のようなもの。」も感じられないのだろうが、地球外生命体は「そこ」に出現すれば、誰でも平等に目の当たりに出来ると思うし。

さらにいえば、
「する。」としたほうが、ロマンがあるじゃないですか。

宇宙はこれほどでっかいのに、地球だけにしか生命が存在しないってもったいなさすぎる。


以下、映画のなかに登場する地球外生命体の10選。

(1)『エイリアン』シリーズ(79~)

ギーガーによる、悪魔的だが美しくもあるデザインに尽きる。




(2)『未知との遭遇』(77)

スピルバーグは、友好的な地球外生命体/敵対的な地球外生命体、どちらも描いている珍しいひと。



(3)『第9地区』(2009)

個人的には、最もリアリティの感じられる地球外生命体モノ、、、なのです。


(4)『V』(83)

テレビシリーズだが、中学生のころに観たので強く印象に残っている。



(5)『スター・ウォーズ』シリーズ(77~2019)

いろんなタイプの地球外生命体、、、というかクリーチャーが登場し、すべてを把握し切れないくらい。

でもそうだよね、1種類のみ。というほうが不自然なんだものね。


(6)『メッセージ』(2017)

新味は、UFOのデザインを縦長にしたこと。そして言語にリアリティを与えたこと。




(7)『A.I.』(2001)

かなりシャープで、現代的なデザイン。


さてキューブリックが撮っていたとしたら、どんなデザインだったろう・・・。


(8)『マーズ・アタック!』(96)

上に並べた傑作SF映画の数々を、思いっきりひっくり返しパロディに仕立て上げた会心作。

コミック調の地球外生命体、かわいい。


(9)『遊星からの物体X』(82)

ギーガー作のエイリアンと双璧、こんなものとは遭遇したくない、ひたすらおぞましい地球外生命体。


(10)『クワイエット・プレイス』(2018)

さすが現代映画ともなると、「見せかた」「気づきかた」にひと工夫もふた工夫も見られる。



あすのしりとりは・・・
うちゅう「じん」→「じん」ぎなきたたかい。

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(338)』

シネマしりとり「薀蓄篇」(338)

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うちゅう「じん」→「じん」ぎなきたたかい(仁義なき戦い)

深作欣二は量産系? の職人監督だったと思うし『仁義なき戦い』シリーズ(73~74)のほかにも多数の代表作があり、熱心なファンが挙げる最高傑作は必ずしも同シリーズではない。というか、同シリーズを挙げるファンのほうが少ないかもしれない。

ただ、映画史的な視点で深作欣二を捉えた場合、真っ先に取り上げるべきは同シリーズでしょう。


美能組の元組長・美能幸三が獄中で書きためた手記をもとに、飯干晃一がまとめた原作の強度。
めまいを覚える手持ちカメラのインパクト。
反復によるシンプルな構成だが、いちど聞いたら忘れない津島利章のテーマ曲。

そして、ホンモノにしか見えない俳優たちの熱い演技。

物語の中心には居るが、はっきり主人公とはいえない菅原文太をはじめ・・・

金子信雄、松方弘樹、田中邦衛、渡瀬恒彦、梅宮辰夫、川谷拓三、千葉真一、北大路欣也などなど。

個人的に最も怖かったのは「眉毛のない」梅宮の兄ぃかな、

梶芽衣子などの女優陣も熱演はしているものの、このシリーズにかぎっては「男がすべて」でしょう。

73年1月に第1作が公開、
驚くのは、その3ヶ月後には第2作『広島死闘篇』が公開、
9月に第3作『代理戦争』、翌年の正月映画として『頂上作戦』、そして6月に『完結篇』が公開される。




2年で5本だよ、労働基準法ガン無視であることは想像に難くないが、すんごい映画的体力だと思う。

最高傑作『広島死闘篇』を除けば、


物語は「あって」「ないようなもの」。
AとBが喧嘩してどっちかが死んで、でも生き残ったほうもCに殺され、CもDとEに殺されたり。
正直、誰がどの組のヤクザなのかはっきりとは分からなくなっていく。

小池朝雄によるナレーションによって誰でも気づくように構成されているのが、回を追うごとに強調される「死に急ぐ若者たち」という主題。

それはもちろん分かる。
分かるけれど、それ以上に「あの熱気」にやられてしまうというのが本音よね。


2000年の阪本順治監督作『新・仁義なき戦い。』。
これは73年版を「かなり」意識した創りだが、それでいて21世紀の視点をも獲得していた。


世評は「かなり」悪かったが、自分は嫌いじゃないです。


そしてテーマ曲も、前世紀版に負けてなかったよね!!




次回のしりとりは・・・
じんぎなきたたか「い」→「い」しいたかし。

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明日のコラムは・・・

『こころのなかで叫ぶぜ、虎党じじいにならないために。。。』

こころのなかで叫ぶぜ、虎党じじいにならないために。。。

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8月9日(日)と10日(月)、MMA興行『RIZIN』がコロナ自粛後に初めて大会を開催することが決定。

場所は横浜、出来たばかりの「ぴあアリーナMM」。

座席数は10000前後だが、「密」を避けるため半分の5000人を最大とする特別興行となる。

現地観戦?

の、予定です。

今回は取材チームに入れていないので、「一」観客としての観戦となる。


気をつけること。
ひとりで行くから決まった座席を離れなければ「密」にはならないが、声援は拍手のみにして「いつもの絶叫」は控える。

一本が極まったりKOで決着すると、反射的習性的に、どうしたって絶叫してしまう。
そこを、なるべく抑えなきゃいけない。

一足早く「観客あり」興行が始まっているプロ野球で、
・・・あんまり名指ししたくはないが、阪神戦で2度ばかり、球審が試合を止めて「虎党」の観客に注意をした、、、というニュースを見た。

こういう表現をしたからって、同調圧力にはならんよね。
みんな、我慢しているんだから!! と、敢えていいたい。

舞台でのクラスター発生も問題視されているわけで、
やっと再開にまで漕ぎつけた『RIZIN』が、「おかえり!! の会」じゃなくて「さよなら……の会」になるのは困る、

なんとしてでも「感染者ゼロ」「興行としては大成功」という結果を出さなくちゃいけない。


―思えば。
こんなに緊張感に満ちた格闘技って、生まれて初めてかもしれない。

桜庭VSホイス、三崎VS秋山を超えているぜよ!!




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明日のコラムは・・・

『外国女優別キャリア10傑(28)ジェイミー・リー・カーティス』

外国女優別キャリア10傑(28)ジェイミー・リー・カーティス

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~ジェイミー・リー・カーティスのキャリア10傑~

トニー・カーティスとジャネット・リーのあいだに生まれたサラブレット。

ホラー映画でデビュー、
母親ジャネットが『サイコ』(60)で映画史に残る死にざまを披露したこともあって「絶叫クィーン」と評されたが、いちばん得意とするのは、たぶんコメディじゃないかな。

さらにいえば。
もともとシュッとしたひとだったが、61歳になった現在のほうがアクション出来そうな雰囲気、、、ってすごいことよね。


(1)『ワンダとダイヤと優しい奴ら』(88)

英国の天才集団モンティパイソンが「ひとからみ」している、大人のためのブラック・コメディ。

カーティスは、チャーミングな泥棒に扮した。




(2)『大逆転』(83)

ダン・エイクロイド&エディ・マーフィ主演のコメディ。

カーティスは、こころやさしい娼婦を好演。


(3)『ハロウィン』(78)

記念すべきデビュー作。
30万ドルの「超」低予算で創られており、金額だけでいえば自主制作のレベルだが、全世界で7000万ドルの売り上げを記録した会心のホラー映画。



(4)『ブルースチール』(90)

新人警官を演じたアクション。
事件現場からなくなった拳銃をめぐるサスペンスで、見応えあり。




(5)『危険な動物たち』(97)

「ワンダとダイヤ」組が再結集して制作されたコメディ、、、だが、前作ほどのインパクトがなかったのは残念。


(6)『ブギーマン』(81)

前作の驚くべきヒットを受けて「急いで」制作された『ハロウィン』の後日談。


(7)『パーフェクト』(85)

エアロビクスのブームに便乗して? 制作されたと思われる、ダンス系恋愛映画。

主演はジョン・トラヴォルタ、彼の腰つきもいやらしいが、男子としては、やっぱりカーティスのこの姿でしょう。




(8)『マイ・ガール』(91)

ヒロインの父親と恋仲になる美容師を演じる。

マコーレー・カルキンの人気でスマッシュヒットを記録、これ、けっこう好きなんだよね切なかった。


(9)『トゥルーライズ』(94)

シュワ氏主演のアクション超大作。

じつは作品そのものは好きじゃない、笑いの要素も低レベルだし、核爆発を背景にキスするくだりとかは無神経過ぎるし。(そもそも被ばくしているんじゃ!?)

ただカーティスは孤軍奮闘、セクシーで素敵だった。



(10)『ハロウィン2018』(2018)

デビュー作の「直接的な」続編になっている。

出来れば、ジョン・カーペンター監督に撮ってもらいたかったなぁ・・・!!

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明日のコラムは・・・

『好きにはなれませんの。。。』

好きにはなれませんの。。。

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好きなもの、嫌いなもの。

本ブログは・・・って、世のブログの7~8割はそうだと思うが、主たる自分の「好き」で溢れている。

ただ、なかには「嫌いのみ」で構成されているブログってあるよね。

趣味ではないが、それはそれで自分を表現しているなぁと思うし、感心さえする。

好きなものを書いたほうが気持ちよくなれる、、、ような気がするけれど、そのひとにとっては逆なんだよね、たぶん。

自分はブログだけでなく、FacebookやTwitterなどのSNSも展開しているが、そこでも「方針、みたいなもの」は変わらない。

つまり好きな映画、格闘技、アイドル、町田市、群馬県、サンデーナイトドリーマーのことだけ投稿している。

ブログ以上にSNSのほうが気をつけているかもしれない、嫌いなものを挙げないように。

なぜって、無益・無駄な議論を生じさせないため。
厄介な相手が絡んでこないようにするため。

「やりあうことを目的としている」ものも存在するから、好きなものだけ挙げていても、絡まれることが「ないとはいえない」のだけれどね。


というわけで、ここで、こっそり? 嫌いな映画でも挙げておいてガス抜きしておきましょうか笑笑



『レオン』(94)

どういうわけか、すごいファンが多いのよ。

演技と大仰な演出で誤魔化しているけれど、ロリコン趣味が全開の映画なんですよこれは。

完全版のほうなんて、そこらへん、ベッソンは隠そうともしてないしね。


※よいエンディングテーマ曲だが、いってしまえば、これ使っているのも許せない笑




「三谷幸喜の映画全般」

「全般」と打ち込もうとしたら「残飯」になっちまったが、そっちでもいいかな。

舞台やテレビドラマの脚本家としては、まちがいなく才能があるひと。
それを前提としたうえでいうが、映画が好き過ぎるのか、それでいて、きちんとした映画を撮ることに照れがあるようで、こっちが真面目に観ているのに「これはギャグです」みたいなシーンを無神経にぶち込んでくる。

この手法、自分が大っ嫌いな『踊る』映画版と変わらないじゃないか、つまり観客に対し不誠実なんですよ、サービスしている振りをしているだけで、それは、正当な映画として評価されることに対し「逃げている」だけだと思う。


『プリティ・ウーマン』(90)

これも人気高い、困ったな笑

ジュリア・ロバーツの同僚というか、ローラ・サン・ジャコモが演じるキットという性悪な娼婦が出てくる。


自分、彼女のほうが魅力的だと思うし応援したいんだな。

つまり、男の手を借りてハッピー♪ とかいっているキャラクターに魅力は感じない、ひとりでどうにか生きていく彼女をこそ主人公にしてほしかったと。


・・・ほかにもいろいろあるけれど、敢えて支持率の高いものに喧嘩を売ってみました。。。

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明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(197)土屋太鳳』

にっぽん女優列伝(197)土屋太鳳

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95年2月3日生まれ・25歳。
東京出身。

公式サイト

旬というのは「出ずっぱり」になることと同意だと思うのですけれど、最近は「ごり押し」なんて揶揄されがちです。

イヤなことばですなぁ。
誰がどう見ても魅力を感じられないのであれば、そう腐すのもやむを得ないかもしれません・・・が、土屋太鳳(つちや・たお)さんはそうじゃないでしょう?

好きでも嫌いでもないですよ。
でもなんか、ごり押しとかいわれているのはファンじゃなくても腹が立ってきますね。

努力家ですし、
運動神経もいいし、だから『オールスター感謝祭』(TBS)でも全力で走って気を失いそうになるし、


好感を持てますけどね。


※創作ダンスも得意です


<経歴>

姉は、2019ミス・ジャパンのグランプリを取ったタレントさん(に、なるのでしょうか?)

日本女子体育大学・体育学部運動科学科舞踊学専攻の、、、じつは8年生で今年卒業出来ないとアウトらしいです。
忙しそうですものね、でもコロナ禍によって「逆に」チャンスなのかもしれません。

2005年―。
スーパー・ヒロイン・オーディション「ミス・フェニックス」で審査員特別賞を受賞したのが芸能界入りのきっかけ。

ファッション誌で専属モデルとなった2008年、『トウキョウソナタ』で映画俳優デビューを飾る。

『釣りキチ三平』(2009)、『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』(2010)、『日輪の遺産』(2011)。

10年代のはじめより脚光を浴びるようになり、2012年の『果てぬ村のミナ』で初主演を務める。

『映画 鈴木先生』(2013)、『アルカナ』(2013)、『赤々煉恋』(2013)、
『るろうに剣心 京都大火編』(2014)と『伝説の最期編』(2014)、『人狼ゲーム ビーストサイド』(2014)。

2015年、NHK連続テレビ小説『まれ』でヒロインを演じる。

『図書館戦争 THE LAST MISSION』(2015)、『orange』(2015)、
10年代後半になってオファーが途絶えることがなくなり、「ごり押し」と呼ばれ始めたのも、ちょうどこのころですかね。

『青空エール』(2016)、『金メダル男』(2016)、『PとJK』(2017)、『兄に愛されすぎて困ってます』(2017)、『トリガール!』(2017)、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(2017)、

『となりの怪物くん』(2018)


『累 ―かさね―』(2018)、『春待つ僕ら』(2018)、最新作は池井戸潤原作の『七つの会議』(2019)、

近作で劇場公開控え作品に・・・
『大怪獣のあとしまつ』(時期未定)と『哀愁しんでれら』(2021年春予定)。


とりあえず・・・。
俳優業がんばれ! という前に、きっちり大学卒業しましょう笑

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明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(198)筒井真理子』

にっぽん女優列伝(198)筒井真理子

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60年10月13日生まれ・59歳。
山梨出身。

公式サイト


吉田羊と同様に、ある程度の年齢になって「唐突に出てきた」感のある筒井真理子(つつい・まりこ)さん、
90年代から数多くのテレビドラマや映画で(主に)端役を演じつづけましたが、その存在に気づいたのは2000年代からでした。

完全に、ノーマーク。
50代でヌードを披露して映画ファンを驚かせ、このあたりから「よい意味で」目立ち始め、そして堂々の主演作を演じることになる。


ここ数年の筒井さんから目が離せなくなりました。


<経歴>

早稲田大学・社会科学部卒業。

(鴻上尚史らが立ち上げた)第三舞台で演技力を鍛えた舞台畑のひと。
80年代から活躍していましたが、テレビドラマや映画に進出するのは90年代に入ってから。

映画俳優デビュー作は、94年の『男ともだち』。
この作品には触れていませんし、
『ヤンキー烈風隊』(95)、『暗殺の街』(97)、『閉じる日』(2000)、『クロスファイア』(2000)などは「観たり観なかったり」しているのですが笑、筒井さんの存在には気づきませんでした面目ない!!

あれ、このひと、よく見る顔かも・・・と思ったのは、2003年の『黄泉がえり』から。

『着信アリ』(2004)、『お父さんのバックドロップ』(2004)、『恋の門』(2004)、『東京タワー』(2006)、『怪談新耳袋』(2006)、『チェケラッチョ!!』(2006)、『伝染歌』(2007)、『クワイエットルームにようこそ』(2007)、『チェスト!』(2008)、『DIVE!!』(2008)、『アキレスと亀』(2008)、『ヒーローショー』(2010)、『人の砂漠』(2010)。

舞台つながりでしょうか松尾スズキの映画に出たりはしたものの、それでも自分のなかでは「いろんなことやる美魔女系の女優さん」くらいの認識でした。

転機はたぶん、園子温の映画に出たことでしょう。

『希望の国』(2012)で初めて園組に参加、
2015年の『映画 みんな!エスパーだよ!』で、染谷将太の母親をファンキーに演じてビッグインパクトを残す。

『リトル・マエストラ』(2013)、『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』(2013)、『クロユリ団地』(2013)、『ルームメイト』(2013)、『真夏の方程式』(2013)、『いのちのコール~ミセスインガを知っていますか~』(2014)、2役に挑戦した『かぐらめ』(2015)を経た2016年、深田晃司の佳作『淵に立つ』に出演。

異形の男・浅野忠信に翻弄される家庭の妻を熱演し「完全に化ける」。

ある意味でどの女優のヌードよりも衝撃的でエロティックだった『アンチポルノ』(2017)、
『ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~』(2017)、『累―かさね―』(2018)、『飢えたライオン』(2018)、『かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発』(2018)、『洗骨』(2019)、『サムライマラソン』(2019)、『愛がなんだ』(2019)、
再び深田監督と組んだ『よこがお』(2019)、『ひとよ』(2019)、『影裏』(2020)と最新作も目白押し。

ピンときていないひとは、とりあえず『淵に立つ』をご覧になってください。

ちょっと驚くと思います。

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明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(199)つみきみほ』

にっぽん女優列伝(199)つみきみほ

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71年4月13日生まれ・49歳。
千葉出身。

公式プロフィール

男の子っぽいおんなのこ―世代的には、つみきみほさんになります。
では「異性」の魅力がないかというと、そんなことはなく。

現役ではありますが、代表作はやっぱり、90年の『櫻の園』になると思うんです。
みほさんの独特な魅力を、きっちりとフィルムに焼きつけたという点でも忘れ難き傑作なのではないでしょうか。。。



<経歴>

86年―中学生のころ、吉川晃司の主演作 『テイク・イット・イージー』のオーディション「吉川晃司主演映画 第3弾ヒロイン募集』でグランプリに輝き幸運な映画俳優デビューを飾る。

いかにも80年代のアイドル映画でしたが、吉川晃司がヤンチャ系のため、けっこう際どい場面もある面白い作品だったと記憶しています。

『精霊のささやき』(87)、テレビドラマの好評を受けた映画版『花のあすか組!』(88…なんと監督は崔洋一!! やっつけ仕事のような気もするけど、じつは脚本も担当している!!!)、、『べっぴんの町』(89)、
そして90年、『櫻の園』で主役ではなかったものの、誰よりもインパクトを残す。



『MISTY』(91)、
このあと結婚し、少しだけ休業状態に入り・・・
『新唐獅子株式会社』(99)あたりから活動開始、
『コンセント』(2001)、『海は見ていた』(2002)、『蛇イチゴ』(2003)、『せかいのおわり world’s end girl friend』(2004)、『風音』(2004)などに出演。

とくに『蛇イチゴ』は作品の柱になるような存在で、ナチュラルな演技スタイルが光りました。

『ランウェイ☆ビート』(2011)、『UTAGE』(2012)、『くろねこルーシー』(2012)、
竹中直人が監督した『R-18文学賞vol.1 自縄自縛の私』(2013)、
『ちはやふる ―下の句―』(2016)、『話す犬を、放す』(2017)、『ルームロンダリング』(2018)、そして最新作が『まく子』(2019)。


ものすごく目立つというわけではありませんが、スクリーンに現れると、なんだか安心する存在なのです。

これからも、マイペースでお願いします♪


次回のにっぽん女優列伝は、鶴田真由さんから。

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明日のコラムは・・・

『あと3年―。』

あと3年―。

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あと3年も経てば、かーちゃんの年齢を超えてしまう。


―そう、きょうは、かーちゃんの命日です。

だから久しぶりに、死の5日前に撮られた写真を載せておきます。

体調不良の自分を見舞うために、わざわざ、マカロニほうれん荘まで来てくれたんだよね。

何度もいうけど顔色が悪いのは自分のほうで、とてもじゃないが、5日後に死ぬひとには見えない。

世の中って、哀しくておかしい。。。


合掌―。

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明日のコラムは・・・

『外国女優別キャリア10傑(29)シガニー・ウィーバー』

外国女優別キャリア10傑(29)シガニー・ウィーバー

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~シガニー・ウィーバーのキャリア10傑~

芸人レイザーラモンRGが、アバターあるある。だったかな、監督のジェームズ・キャメロンあるある。だったか、ともかくそういったネタで、

♪ ジェームズ・キャメロンは、シガニー・ウィーバーに頼りがち ♪

と展開していて、大爆笑しました。


180cmの長身、そして70歳だというのに未だ「強い」イメージが保たれているのは、やはり、リプリーを演じたからでしょう。


(1)『エイリアン2』(86)

キャッチコピーは、「今度は戦争だ」。


アート史に燦然と輝くギーガーの悪魔的デザインに、キャメロンの物量主義とシガニーの熱演で対抗した、、、というイメージ。


(2)『デーヴ』(93)

大統領と「そっくりさん」の入れ替えコメディ。
シガニーはファーストレディを好演、どこでニセモノと気づいたと問われたとき「脚を見たでしょ、夫はわたしの脚なんか見ないから」と答えるのがいいね。


(3)『エイリアン』(79)

SFパニックの金字塔ここに誕生。

戦うおんな、リプリー誕生の物語でもある。




(4)『ギャラクシー・クエスト』(99)

SF映画全般をひっくり返したパロディ映画の傑作。

シガニー、とってもセクシーでした。



(5)『アイス・ストーム』(97)

現代の家庭がいかに壊れていくかを、徹底的にクールに描かれていて感心した。

ケビン・クラインやシガニーなど、大人たちもいいが、それ以上にクリスティーナ・リッチ、イライジャ・ウッドなど子役たちの演技が素晴らしい。


(6)『ゴーストバスターズ』(84)

大ヒットしたホラーコメディ。

自分は乗れなかったが、「門の神・ズール」に取り憑かれて変貌していくシガニーは素敵だった。


(7)『ワーキング・ガール』(88)

観客全員がメラニー・グリフィスを応援したくなるよう、悪役に徹している。




(8)『エイリアン3』(92)

人気シリーズ第3弾は、鬼才デヴィッド・フィンチャーが担当。
第4弾と比べても評価低めだが、自分は嫌いじゃない。


(9)『コピーキャット』(95)

ホリー・ハンターと共演したサスペンス。
シガニーは、ある事件のトラウマにより屋外恐怖症となった犯罪心理学者を演じる。



(10)『死と処女』(95)

監督はロマン・ポランスキー、共演にベン・キングスレー。

有名な舞台劇の映画化だそうだが、そういう予備知識がなくとも雰囲気抜群なので充分に堪能出来ます。

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明日のコラムは・・・

『団地のにおい』

団地のにおい

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先日、『アメトーーク!』(テレビ朝日)で「団地住んでいた芸人」を放送していた。

NON STYLE石田、平野ノラ、霜降り明星せいや、空気階段・鈴木もぐら、アジアン馬場園、スタンダップコーギー奥村が出演。

自分は「住んでいた」じゃなく現在進行形の団地族なので、たぶん「住んでいたひと」以上に楽しめた、、、気がする。

エレベーターないところが多いので、足腰鍛えられるとか。
あってもメンテナンスが行き届いてないから、到着時に段差が出来るとか。
ベランダ側は不用心、
プライバシーだだ洩れ、
駅まで徒歩55分とか(これは極端!笑)
などなどなどなど。

番組後半では、自分の住まいからそう遠くない永山団地のオシャレに改造された部屋(=トップ画像)が紹介されていた。

たしかにオシャレ過ぎて、団地っぽくない。

くそー負けていられるか、自分のとこはどうじゃ? なんつって。



ただ、なかのほうはともかく、ソトヅラはどう繕ってみたって団地は団地よね。

タワーマンションに憧れがないといえば、ウソになる。
まぁでも、なんといっても安いからね団地は。

分相応、分相応ですよ、やっぱり笑笑


※団地映画といえば、これ



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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(339)』

シネマしりとり「薀蓄篇」(339)

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じんぎなきたたか「い」→「い」しいたかし

石井隆には劇画家と映画監督、ふたつの顔がある。

自分より上の世代にとっては前者、自分の世代にとっては後者になるだろうか。


早稲田大学を卒業した直後に劇画家デビュー、


憂いを帯びる運命の女・名美の物語が好評を博し、にっかつロマンポルノの波にも乗って(原作者としてだけでなく)脚本家としても起用される。

80年代早々に、映画監督にも挑戦するはずだった。
しかし撮影所は衛生面で問題があり、それにより体調を崩してしまう。

88年―撮影所の環境が「以前よりはマシ」になり、『天使のはらわた 赤い眩暈』で満を持して映画監督デビュー。

大竹しのぶ×永瀬正敏の『死んでもいい』(92)、
余貴美子×竹中直人の『ヌードの夜』(93)、

夏川結衣×根津甚八の『夜がまた来る』(94)、

※たぶんこれが、最高傑作!!


川上麻衣子×根津甚八の『天使のはらわた 赤い閃光』(94)、

いずれも、名美と村木の因縁めいた物語。

オールスターの犯罪劇『GONIN』(95)においても、ナミィというキャバ嬢を用意する徹底ぶり。



夫人は初恋のひとだそうで、石井隆というひとはロマンチストであり、一途でもあるわけなんだね。


『GONIN2』(96)や『黒の天使』シリーズ(98、99)、
井上晴美が好演した『フリーズ・ミー』(2000)、
団鬼六の代表作を杉本彩主演で映画化した『花と蛇』(2004)、
『ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う』(2010)、壇蜜が好演する『甘い鞭』(2013)、『GONIN サーガ』(2015)などなど、90年代後半は必ずしも「名美と村木の物語」を描いてきたわけじゃない、

でも石井隆を知っているひとは、わずか数秒の映像だけで「あぁ石井隆の映画だ」と気づくと思う。

そのくらい、石井隆の映画には個性が凝縮されている。

雨、夜、ネオン、血。
どんなテクニシャンが「石井風」に撮ろうが、おそらくニセモノであることを見破ることが出来る。

誰がどう撮っても、石井隆の絵は真似が出来ない―いわゆるポピュラーな映像作家ではないが、いちどハマるとなかなか抜け出せない魅力のあるひとなのです。。。


あすのしりとりは・・・
いしいたか「し」→「し」-おぶらぶ。

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(340)』

シネマしりとり「薀蓄篇」(340)

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いしいたか「し」→「し」ーおぶらぶ(シー・オブ・ラブ)

好きな、海のうた。

『青い珊瑚礁』


ディズニーの『アンダー・ザ・シー』、
杉山清貴の『さよならのオーシャン』、
同名映画も大好き『八月の濡れた砂』、

『冬のリヴィエラ』


そして、フィル・フィリップスの『シー・オブ・ラブ』。

王道中の王道だが、これはたぶん同名映画の影響が大きい。

アル・パチーノ、エレン・バーキン共演のサスペンス。

中年刑事パチーノが、捜査線上に浮かんだ容疑者バーキンに惚れてしまう、、、という物語。

事件は、現代でいう婚活サイトみたいなところで出会った男を殺害、
現場には必ず『シー・オブ・ラブ』のレコードがあると。

パチーノは婚活クラブに登録し、様々な女性に出会い、そうしてバーキンに辿り着く・・・。

いわゆる『氷の微笑』(92)系の、ファムファタル映画。
映画が誕生してからずっとずっと描かれてきた物語。

悪口じゃなくってね、これぞ映画の本分だと自分は思ってます。

ただバーキンは男好きのする顔とはいえ、さすがにケバ過ぎるし、性器が歩いているような感じがして、さらにいえば、ちょっと身体の部位ひとつひとつがゴツイ。

いやこれも、べつに悪口じゃない。

実際、自分は好きだしパチーノがやられちゃうのも無理はないと思っている。



話を戻し。
なぜこういう物語が量産されているのか、なぜそれが映画の本分だと思っているのか。

第一に、映画はやっぱり見世物なので、高尚なものよりも「結局はエログロに行きつく」から。

第二に、これは単純なことで、女性監督やプロデューサーが増えてきているものの、映画業界を牛耳っているのは男だから。
この世界が逆転すれば、物語も自然と逆転することでしょう。

・・・まぁ自分としては、物語がこのように転がっていくのであれば、男だろうが女だろうが楽しめますがね。
そういう意味では平等主義者です、いやマジで笑




次回のしりとりは・・・
しーおぶら「ぶ」→「ぶ」き。

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明日のコラムは・・・

『傘がない』
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