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Channel: Cape Fear、in JAPAN
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初体験 リッジモント・ハイ(208)

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映画内映画、というものをいくつか挙げてみようか。

映画のなかで登場人物が、映画館で映画を観ているシーンがある映画、、、ということ。


『ケープ・フィアー』(91)

デ・ニーロが葉巻を吸って観ている。



質の悪いB級映画で、台詞を聞いていると「サヨナラ!」なんていうのも出てくる。

『トゥルー・ロマンス』(93)

クラレンスとアラバマが出会うのは、映画館だった。

クラレンスが観ているのは、サニー千葉のアクション映画。

『ツイスター』(96)

吹き飛ばされるドライブ・イン・シアターのスクリーンには、『シャイニング』(80)が映っていた。

『桐島、部活やめるってよ』(2012)

前田くんが観に行ったミニシアターで、『鉄男』(89)が上映されていた。

偶然居合わせた、かすみちゃん曰く「マニアックな映画」だそうで笑


自分が映画監督だとしたら、自作でなにを流すか?

『タクシードライバー』(76)?

いやいや、そんなベタなマネはしないよ。

一般的に知られていない作品や、忘れられた名作を流したいよね。


さて、初めての映画デート。
というか、生まれて初めてのデートが映画だった。

高校2年の冬。
40kgの減量に成功し、一瞬だけモテた・・・いや本当だって、一瞬だけ。

といっても、向こうからどうこうしてくるわけではなく、こっちからアプローチしてのことだけど。

不器用なりに告白し、スマートとはいえない感じで交際が始まる。

身体中から放出される「やりたい光線」をなんとか食い止め、映画に誘う。
(きのうのコラムで「自分から映画デートには誘わない」と記したが、これが最初で最後だったと記憶する)

相手は、同じ学校のSちゃん。
同級生だがクラスはちがい、ほとんど話したこともなかった。
なかったが、通学中によく見かけていて、いいな、、、と思っていた子だった。

Sちゃんはコンビニのアルバイトをしていて、バイト帰りに待ち伏せし、恋文を渡したのである。

映画は『フィールド・オブ・ドリームス』(89)、ケビン・コスナーが絶頂期のころに主演した大人のファンタジー。

モノスゴ大雑把にいえば・・・
「天の声」を聞いた主人公が、トウモロコシ畑を潰して野球場を作ったら、いろんな亡霊が出現して、最終的にパパに会えた・・・という物語。

原作もいいが、この物語に説得性を与えるのは「むしろ」映像の力のほうで、だから、映画ならではの創造性に富んだ傑作なんじゃないかと。


当時、自分は映画館でバイトをしていて、この作品も上映されていた。
されていたし、自分は2度も観ていた。
2度観たうえで、「これがいい!」と思ったのである。

自分がバイトしている映画館で映画デート?

まさか。

館林から前橋まで遠征? し、自分なりに特別感を作った。


上映開始。

なんとなく、そう出来そうな気がしたので、手を握ってみる。

・・・・・。

うん、彼女は拒否しなかった。

ふぅえがった。

いまほど乾燥肌じゃなかったからね、そこいらへんは積極的にいけた。


上映終了。

いいものは、3度観てもいいなぁ! と感慨に浸る。

しかしSちゃんは、ピンとこない顔をしていた。

「面白くなかった?」
「・・・なんか、よく、分からなかった」

ダメな男子だと思うが、この感想だけで冷めてしまった。

冷めたとしても、その日くらいは、頑張って楽しいデートをつづけようとするものじゃない?

けれども、それが出来なかった。


そのあと、ご飯を食べたのだが、なんーーーんも面白くなかった。

たぶん、Sちゃんもそうだったはずで。


だから、そのまま自然消滅してしまったのである。

悪いのは、自分のほうだったなぁと。


こういうのを10回以上繰り返し、楽しいデートを展開出来るテクニックを身につけました・・・と、自己弁護しておこう。


おわり。





…………………………………………

明日のコラムは・・・

『無視しているわけでは、ありませんの。』

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