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Channel: Cape Fear、in JAPAN
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マウントを取る。

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ここ2~3年でよく使われるようになった表現のひとつに、「マウントを取る。」というのがある。

知識や経験が浅いひとが居たとして。
その世界に明るいひとが知識や経験を振りかざし、「上から」の姿勢を取ること。

簡単にいえばね。

『アイリッシュマン』を観て興奮する高校生に、自分が「これだけでスコセッシを分かった風に語るな。全キャリアに触れて出直してこい」というようなもので。

「穴だらけの」知ったかぶりが居て、ソイツを黙らす手法としては有効だけれども。
なんか、そういう図って美しくないのよね。


この「マウントを取る。」現象が、SNSの趣味アカウントで起こりがちで、度々問題になっている。

優位に立って気持ちよくなる―分からんでもないが、むなしいよねと。


この表現、元祖は自分の専門MMA(総合格闘技)だったりする。

トップ画像の、RENAみたいな状態を指す。
対戦相手を仰向けにして、腹のあたりに跨る―これでパウンド(パンチ)し易い体勢が作られることから、「マウントを取る。」イコール絶好のチャンスだと認識されるようになった。

つまり格闘技の世界ではポジティブな意味合いが強いのに、
ネットの世界でいう「マウントを取る。」は、どちらかというとネガティブになっちゃっている。

わざと喧嘩に乗っかることを「プロレスをする」っていう風に表現しがちだけど、
リングの世界でだけ通用していた表現が転用され、意味がポジ/ネガ化されたことって、リングの世界の住人、その近隣のひとにとっては、ちょっと哀しいのよねぇ。。。


※本物のマウント攻防がどれだけ恐ろしいものか、この試合を観れば、よーーーく分かる



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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(335)』

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