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シネマしりとり「薀蓄篇」(355)

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どー「る」→「る」とがーはうあー(ルトガー・ハウアー)

オランダ出身の映画関係者といえば、戦場カメラマンという経歴を存分に活かした変人監督、ポール・バーホーベン。

そんなバーホーベンの初期作品(=73年の『危険な愛』)に出演し、結果的にバーホーベンよりも一足早く世界の映画ファンに知られることになった俳優が、故ルトガー・ハウアー。

主に80年代に活躍、「ド」メジャーではないが確実に映画史に残る傑作数本に出演し強烈な印象を残した。

82年、SF映画史に燦然と輝く『ブレードランナー』に出演。

主人公ハリソン・フォードがターゲットにするレプリカント「ロイ・バッティ」を熱演、
ハリソンが霞むほどのビッグインパクトを残す。



・・・というかもう、主人公はデッカード(ハリソン)ではなくバッティみたいなものだし。

脚本を読んだ時点でハリソンが「あんまりやりたくない」といった逸話は、ほんとうのような気がしてきたな~。


86年、ヒッチハイクの男がドライバーに対してストーキング的な行為を働くサスペンス『ヒッチャー』に出演。
アイドル的人気を誇るC・トーマス・ハウエルくんを徹底的に追いつめた。

これだって興行的に健闘したのはハウエルくんのおかげだろうが、作品の質を上げているのはまちがいなくハウアーだし!!

※木村奈保子さんの解説をどうぞ



悪役専門なのかな・・・と思わせたが、88年の『聖なる酔っぱらいの伝説』では愛すべき主人公(ホームレス)を好演、器用なところをみせて我々を驚かせてくれた。

もっと驚いたのが、89年の『ブラインド・フューリー』。
勝新太郎の当たり役「市」を演じた、アメリカ・リメイク版『座頭市』ですってよ!!



ベトナム帰還兵、盲目、居合術で敵を倒すって、ごった煮が過ぎやしないかい?
しかも敵役はショー・コスギときたもんだ!!

しかしですね、これが思いのほか楽しめる。

ツッコミどころを含めて、よい意味での80年代らしさに溢れている。

いまは、どちらかというと細かな設定にもリアルが求められる時代だからね、
この程度の理屈がこの映画ですよ、、、といってしまえるのって、80年代までだったのかもしれないな~。


あすのしりとりは・・・
るとがーはう「あー」→「あー」としあたーぎるど。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(356)』

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