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シネマしりとり「薀蓄篇」(406)

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ずびぐにぇふつぃぶるす「き」→「き」-ぱーそん

「key person」とは、ことばのとおりで「鍵となるひと」を指す。

物語のなかで「出ずっぱり」のキャラクターがキーパーソンであることも「ないことはない」が、印象としては、むしろ「ほぼ出てこない」キャラクターこそ「それっぽい」というかね。

真っ先に浮かぶのが、『ユージュアル・サスペクツ』(95)のカイザー・ソゼ。





みながソゼのエピソードを話し、怖がったりするだけで、ソゼ本人はラストに「ちょろっと」出てくるだけ。
(厳密には、出ずっぱりか! もうネタバレ!!)


「名前」としては各キャラクターがそれぞれ連呼するものの、まったく出てこないケースもある。

『桐島、部活やめるってよ』(2012)の、桐島くん。
どんだけイケメンで、スポーツが出来て、影響を与える人物なんだよ、くそ!笑



映画の趣味もあるとは思うけれど、自分はこういう作劇が大好き。
50年代に発表されたサミュエル・ベケットの戯曲『ゴドーを待ちながら』が、この作劇の古典というか。

ふたりのキャラクターが、ただひたすら「ゴドー」という人物を待ちつづけるという不条理劇。

自分は、劇団東京乾電池が展開した舞台(柄本佑×柄本時生)を観た経験あり。
なーーーーーんにも起こらない物語なのに、ぜんぜん飽きないのだよね。


声はたっぷり聞かせるのに、やっぱり出てこないに等しいキャラクターとしては、『リリイ・シュシュのすべて』(2001)のリリイ・シュシュも印象に残る。



また、出てくるには出てくるけれど、謎めいた扱いがキーパーソン的という意味では、『AKIRA』(88)のアキラとか。


観ていないひとは、バイクに向かう少年・金田がアキラだと思っちゃうもんね。


キーパーソンをどう描くのか―これもまた、物語と向き合う際の「おとなな楽しみ」のひとつなのでした。。。




次回のしりとりは・・・
きーぱー「そん」→「そん」とく。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『「34」を越えて―』

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