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恐縮です。

たとえばかわいい子に対し、「あの子は、自分のことを可愛いと思っている」と評すことがあるが、そんなことは当たり前じゃないか、思ってなかったとしたら、その子の目がどうかしているっていうだけの話で。

そうしてその子が、「可愛いね」という褒め言葉に対して「いえいえ…」と謙遜? したりすると「逆にイヤミだ」と文句いわれたりして、可愛く生まれるというのも、なかなか大変だ。
(以前、アイドルの誰かが「わたしブスだから」といって批判を喰らったことがあったが、それはそうだろうと思う)


自慢じゃないが、自分のハニーは可愛いほうだ。

待ち合わせ場所に彼女が先に着いたとすると、けっこうな確率でナンパされている。

自分はナンパ男に怒ることはせず、「なんか用?」と声をかけて退散させるのが好き。

どうだコノヤロウ、ザーメンの塊のような悪臭を放つ俺が、こんな可憐な子を連れているんだぜ! と自慢したいのだろう。

悪かったな、性格サイアクで。


可愛いねと褒められたら「いえいえ…」とはいわないこと。
そう返したら、イヤミよねって悪口いわれるから。

・・・と、自分はハニーに忠告している。

褒められたら「ありがとうが無難かな」と。


自分は容姿に関してはだいぶ早い時期に諦めているので、ほかの魅力を伸ばそうと「それなりの修行?」をつづけてきたつもりである。

お洒落になることではないし、身体能力を高めることでもない。

「自分より上」は沢山居るだろうが、とりあえず面白くありたいと。

実際に面白いかどうかは分からない。
美醜のある程度は自分で判断出来るが、面白さというものは、とくに「他者に評価されるもの」であるし。

だから自分ではなんともいえないが、いちおう「面白い」と評されることが多い。

評価して! と頼んだわけではないので、信用していいものだと思う。

で、そうした評価を受けたときに、なんて返しているのかが本題である。

だいたい、「恐縮です」と返しているかな。

それ自体は、面白くもなんともないけれどね。

芸人でいうとザキヤマさんであれば、それを肯定したうえで面白いことをいってくれそうな気がするけれど。

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<恐縮(きょうしゅく)>

(1)おそれて身がすくむこと。

(2)相手に迷惑をかけたり、相手の厚意を受けたりして申し訳なく思うこと。おそれいること。また、そのさま。

~デジタル大辞泉より~

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格好いいとか、男らしいとか、強そうとかいわれることよりも、面白いといわれることのほうがうれしい。

前のふたつはほとんどないが、ごくたまに「強そう」とはいわれる・・・けれども、実際に多いのは「優しそう」だったりする。


それはともかく。

「恐縮です」ということばのなかには、「自分なんか、まだまだですから」という思いが込められそうな気がするので、そう発しているところがある。

もちろん「だろ?」という気持ちもないではないが、自分なりのイヤミにはならない「へりくだり」なのだ。

・・・と、自分では設定しているのだが、この「恐縮です」ということばそのものが分からなかったりするアンチャンネーチャンも居るので、そこいらへんが問題なのだよなぁ!!


※ほんとうに面白いということ…自分にとっては、有吉ちゃんのラジオに投稿している「ぺけみに」さんが、それにあたる




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明日のコラムは・・・

『にっぽん男優列伝(333)室田日出男』

にっぽん男優列伝(333)室田日出男

37年10月7日生まれ・2002年6月15日死去、享年64歳。
北海道出身。

俳優という特殊な職業ゆえ、、、でしょう、男優さんや女優さんの歳を聞いて「そんなにいってたのか、すごく若く見える」と思うことが多いです。

その逆、「え、まだそんな歳だったの? もっといっているのかと思ってた」というのは、とても稀。

きょうの主役は、そんな後者のケースといえるであろう室田日出男(むろた・ひでお)さんです。

64歳で亡くなりましたが、オーバーではなく、70代かと思ってました。
髪や髭が、そう思わせていたのでしょうか。

そもそも? が村田英雄という大御所中の大御所と勘違いされることの多いひとで、ちょっと気の毒ではありますが、このひとを嫌いな映画通は居ないでしょう、いわゆるジャンル越境型のひとで、ロマンポルノからヤクザ物まで数多くの名作・珍作に出演してきた名脇役です。

個人的に印象に残っている作品は、自分が最も多く映画を「こなしていた」時代、つまり90年代に出演した『死んでもいい』(92)と『眠らない街 新宿鮫』(93)。

前者では妻とその愛人に殺される亭主を、後者では鮫島警部(真田広之)のボスを演じています。




<経歴>

川谷拓三が所属? していたことでも知られる「ピラニア軍団」の中心的人物。
簡単にいえば、先鋭化した「悪役商会」ですね。

高校を卒業し上京、20歳のころにニューフェイス第4期生として東映に入社する。
同期には、佐久間良子や山城新伍らが居ました。

映画俳優デビュー作は、60年の『二発目は地獄行きだぜ』。

室田さんはチンピラ役だったそうです・・・って、自分、この作品を観ているはずなのに、どこに出ていたのか「どうしても思い出せない」のでした。

ごめんなさい!!

『太平洋のGメン』(62)、『柔道一代』(63)、『暗黒街最大の決闘』(63)、『昭和侠客伝』(63)、『暗黒街大通り』(64)、『飢餓海峡』(65)、『昭和残侠伝』(65)、『北海の暴れ竜』(66)、『組織暴力』(67)、『恐喝こそわが人生』(68)、『ねじ式映画 私は女優』(69)、『捨て身のならず者』(70)。

沢山の映画に出ていますが、ほんのちょっとしか出ていないことが多いので、編集しながら「出ていたっけな?」という作品もいくつか。
『飢餓海峡』の、記者役はさすがに覚えていますけど。

70年より、「新網走番外地」シリーズに連続出演。

『大森林の決斗』(70)
『嵐を呼ぶ知床岬』(71)
『吹雪の大脱走』(71)

アクの強いキャラクター性に磨きがかかり始め、このあたりで、室田さんは黄金期を迎えます。

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『不良番長 手八丁口八丁』(71)、『狼やくざ 殺しは俺がやる』(71)、『現代やくざ 人斬り与太』(72)、『女囚701号/さそり』(72)、『やくざと抗争』(72)、『女囚さそり 第41雑居房』(72)、

タイトルが光り輝いている『ポルノの帝王 失神トルコ風呂』(72)、

「仁義なき戦い」シリーズに連続出演。

『広島死闘篇』(73)
『代理戦争』(73)
『頂上作戦』(74)
『新仁義なき戦い』(74)
『新仁義なき戦い 組長の首』(75)


『ボディガード牙』(73)、『海軍横須賀刑務所』(73)、『山口組外伝 九州進攻作戦』(74)、『直撃! 地獄拳』(74)、『あゝ決戦航空隊』(74)、『女必殺拳 危機一発』(74)、『直撃地獄拳 大逆転』(74)、

「ど」ストレートなタイトルを冠した、しかしこの時代はそれが許された『従軍慰安婦』(74)、

『仁義の墓場』(75)、『けんか空手 極真拳』(75)、『暴力金脈』(75)、『県警対組織暴力』(75)、『子連れ殺人拳』(76)、『殺し屋たちのメロディ』(76)、『暴力教室』(76)、『沖縄やくざ戦争』(76)、『狂った野獣』(76)、『ピラニア軍団 ダボシャツの天』(77)、『ドーベルマン刑事』(77)、『人間の証明』(77)。

しかし77年―。
覚醒剤不法所持により逮捕され、しばらく芸能活動を謹慎する身に。

復帰後の78年、ロマンポルノ『人妻集団暴行致死事件』から再び輝きを取り戻す。

タイトルは強烈ですが、出色の出来でした。

だから、やっぱり思うんです、
甘いといわれるのかも・・・ですが、

2度3度と過ちを繰り返さないためにも、いちどの失敗であれば、(もちろん罪を償ったうえで)受け入れるべきなんじゃないか、、、と。


『柳生一族の陰謀』(78)、『白昼の死角』(79)、『さらば映画の友よ インディアンサマー』(79)、
『影武者』(80)、『野獣死すべし』(80)、『スローなブギにしてくれ』(81)、『魔界転生』(81)、『悪霊島』(81)、『駅 STATION』(81)、『九月の冗談クラブバンド』(82)、『鬼龍院花子の生涯』(82)、『この子の七つのお祝いに』(82)、『戦場のメリークリスマス』(83)、『空海』(84)、『愛情物語』(84)、『天国にいちばん近い島』(84)、 
『友よ、静かに瞑れ』(85)、『二代目はクリスチャン』(85)、『潮騒』(85)、『キャバレー』(86)、『南へ走れ、海の道を!』(86)、『時計 Adiue I' Hiver』(86)、『マルサの女』(87)、『黒いドレスの女』(87)、『あぶない刑事』(87)『極道渡世の素敵な面々』(88)、『ぼくらの七日間戦争』(88)、『ドグラ・マグラ』(88)、『恋子の毎日』(88)、『キスより簡単』(89)、『せんせい』(89)、『ハリマオ』(89)、『CFガール』(89)。

本人役「も」演じた『てなもんやコネクション』(90)、『天と地と』(90)、
前述した『死んでもいい』と『眠らない街 新宿鮫』、
『したくて、したくて、たまらない、女』(95)、『借王』(97)、『柔らかな頬』(2001)。


そして2002年6月15日、肺がんにより死去。
享年64歳、遺作は『鏡の女たち』(2003)でした。


妙な表現になりますが、訃報を聞いてものすごく悲しくなったのです。

そのとき、あぁ自分は、生前の室田さんに言及したことはなかったけれど、大好きな俳優のひとりだったんだなぁ、、、と気づいたのでした。

合掌。

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明日のコラムは・・・

『にっぽん男優列伝(334)本木雅弘』

にっぽん男優列伝(334)本木雅弘

65年12月21日生まれ、50歳。
埼玉出身。

公式プロフィール


ヘアヌード写真集を出したり、紅白でコンドーム遊びをしてみたり、

※ちゃんとした意図があったようですが




「シブがき隊」のなかのエキセントリック担当になっていくのか・・・と思われた本木雅弘(もとき・まさひろ)さん、ですが、ふと気づいたら正統派の中堅俳優に。

もう50歳というのもオドロキですが、映画小僧として「モックン、抜けたな」と感心したのは、95年の『GONIN』からでした。

代表作はオスカーにも輝いた『おくりびと』(2008)、、、ということに「なっている」のでしょうけれど、
滝田監督の映画ではもっと優れているものがあるし、モックンだってこれ以上の演技を披露している作品もあります、だからこれをきっかけにほかの出演作を観るひとが増えたらなぁ・・・と思います。

※最新主演作、とっても面白そう。原作もぜひ!




<経歴>

夫人は、内田裕也と樹木希林を親に持つ内田也哉子。

元「シブがき隊」メンバー。

ちなみに・・・
「たのきん」ならマッチ、
「少年隊」ならニッキ、
「シブがき」ならヤックン派でしたかね、自分は。


81年に芸能界入りし、『2年B組仙八先生』(81~82、TBS)で俳優デビューを飾る。

「金八」に比べると弱いのでしょうが、悪くなかったですよ、毎週欠かさず観ていましたもの。

このときに同じ「2B」の生徒役として出演していた薬丸裕英、布川敏和とシブがき隊を結成し、82年に『NAI・NAI 16』で歌手デビューを果たす。
(解散ではなく解「隊」は、88年)


映画俳優デビュー作は82年の『ボーイズ & ガールズ』で、これは「シブがき隊のメンバー」としての出演です。
そのあとの『ヘッドフォン・ララバイ』(83)、『バロー・ギャングBC』(85)も同様。

このころにモックンを「俳優」として認識していたひとは、ファンにも居なかったのではないでしょうか。

俳優としての躍進は、解「隊」後に訪れました。

ソロになった翌年の89年だけでも、『226』、『ラッフルズホテル』、『ファンシイダンス』に連続出演。

とくに、坊さんの世界を周防監督が軽妙に描いた『ファンシイダンス』は高評価を受け、多くの映画ファンは「あれ、3人のなかで最も映画向きなのかも」と、その可能性に期待を寄せ始めます。

『陽炎』(91)、『遊びの時間は終らない』(91)、
再び周防監督と組んだ『シコふんじゃった。』(92)、
『魚からダイオキシン!!』(92)、
浮いた感じがちょっと厳しい『ラストソング』(94)、
明智小五郎を演じる『RAMPO』(94)、前述した『GONIN』、
96年の『トキワ荘の青春』では寺田ヒロオを誠実に演じ、このころには、モックンの肩書きを「元アイドル」とするひとは、ほとんど居なくなったのでした。

98年、三池崇史の快作『中国の鳥人』に主演、
99年、塚本晋也の『双生児』(99)で2役に挑戦、

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『スパイ・ゾルゲ』(2003)では尾崎秀実を演じ、
そして2008年に自ら企画を売り込み、『おくりびと』に主演する。

個人的にはモックンの好演より、ヒロスエの艶っぽさに参ってしまったクチです苦笑


『天空の蜂』(2015)、
さらに『日本のいちばん長い日』(2015)では、昭和天皇(トップ画像)を演じる。

最新作は、西川美和の『永い言い訳』(2016)。


本数はそれほど多くはないですが、順調なキャリアを築き上げていますね。

おそらく、きっちり脚本を読み込んで、どれに出るべきかを吟味するタイプなんだと思います。


次回のにっぽん男優列伝は、森繁久彌さんから。

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明日のコラムは・・・

『階段』

階段

先日―。
郵便屋さんが「ゆうパック」を届けに、自分の住む5階までやってきて、少しぜぃぜぃいいながら・・・

「そこに置いてある自転車は、牧野さんのものなんですか」

と、問うてきた。

チャリ好きの郵便屋さんかな。

「えぇそうですよ」
「すごいですね、ここはエレベーターないのに、5階まで抱えて」
「いえいえ、ロードバイクはママチャリとちがって、えれー軽いですから」
「そうはいっても、幅もありますし~」

なるほど。
見ない顔なので、初めてこの団地の配達をしているっぽい。

階段の上り下りを繰り返し、ちょいとイヤになっての会話だったのかも。

郵便屋さん、おつかれさんでした。


その1週間ほど前―。

宅配ピザを、クレジットカードで注文。

届けてくれたのは30代真ん中くらいの女子で、やっぱりぜぃぜぃいっていた。

「お待たせしました、すいません、ちょっと息切れしちゃって」
「(苦笑)いえいえ、おつかれさんです」

「―以上で、ご注文の品はお揃いですよね」
「・・・あれ、ポテトとサラダがないかもね」
「・・・あっ!!」
「だよね?」
「申し訳ありません! すぐにお持ちします! すぐに!!」
「(笑う)いや、ゆっくりでいいからね、ゆっくりで。階段も、走って上がらなくていいから」

20分後―。

「すいませんでした、こちらお詫びです」

と、沢山のドリンクをつけてくれた。

「いえいえ、クレジット払いじゃなかったら、その場でキャンセルしちゃったんだけどね、こっちこそ、ごめんなさい」


団地族になって10年が経過。

越してきたころは「階段がどうした?」であったのに、

30代が40代になったわけでね、
それからイイワケのように付け加えれば、膝に爆弾を抱える身であるし、

今まで見向きもしなかった「手すり」を使うことが多くなった。


生粋のチャリダーを自称している自分だってしんどいときがあるのだ、宅配業者さんは大変だよねと。

そういえばデリヘル嬢を呼んだときも、「辿り着かないと思った」といわれたっけ。

面白かったな、あの子。
元気しているだろうか。


歳を取るごとに「手すり」のありがたみを実感する―きょうは、そんな話である。

ん?

ジジイかよ!! って?

まだそんな歳じゃないだろうって?


もうそんな歳だよバカヤロウ、膝がピキピキ鳴るんだからしょうがないじゃないか。

こりゃまずいと思って膝中心の筋トレを始めたが、残った半月板がさらに欠けているのかもしれないなぁ、そんな痛みなんだ。(10年ほど前に事故で欠け、主治医に「キミの半月板は、成人男性の3分の1くらいしか残ってない」といわれた)

ほんとうはMRI撮ってもらったほうがいいのだろうけれども、あれ高いんだよね、しばらくは筋トレで様子見しておこうと思う。


※映画のなかの階段といえば・・・
たぶん一般的には『戦艦ポチョムキン』(25)や『アンタッチャブル』(87)、『蒲田行進曲』(82)になるのだろうが、
個人的には『エクソシスト』(73)の階段も印象的だった。

トップ画像のほかに、こんなのもあったしね。

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そして音楽では、やっぱりこれでしょう




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明日のコラムは・・・

『からっ風野郎』

からっ風野郎

いまの住処に越してきて数ヶ月後、エアコンを取り付けた。

業者のおじさん曰く「両方の窓を開けてりゃ、かなり涼しいねぇ。エアコン必要ないんじゃ?」。

たしかにそうなんだが、自分は基本、昼夜逆転の生活をしており。
しかも隣りは小学校だ、夏はプール教室があり、先生は拡声器を使って喋るし・・・って、まぁそれらすべてがイイワケだ、日本で最も暑い地域―館林―に生まれた割には暑さには弱い、だからエアコンは必要なんだべさ。

現時点(7.23、16時)では、エアコンはつけていない。
風通しがよく、とっても心地いい。

風。
そして群馬といえば、からっ風である。

しかし館林は東京寄りのため、山からは遠く、よく「からっ風だよね」と他県のひとにいわれるけど、「えぇ、まぁ…」という中途半端な返ししか出来ない。

からっ風を受けたことが、いちども・・・ってことはないかな、しかしほとんど受けたことがないため、よく分からないのである。

映画小僧にとっての「からっ風」とは、上州名物ではなく、三島が主演した珍作『からっ風野郎』(60)のほうだよと。

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というわけできょうは、映画のなかで描かれた「印象的な風」10傑を展開してみたい。


(1)『ミラーズ・クロッシング』(90…トップ画像)

風に舞う帽子は、もはや語り草か。

サウンドトラックとして、ところどころのシーンに「風の音」が紛れ込んでいるところに注目。

(2)『羅生門』(50)

あの風さえ吹かなければ・・・。

(3)『恐怖の報酬』(53)

爆風のあとに、爆発音―核爆発の恐怖を、端的に表現している。

(4)『風立ちぬ』(2013)

沢山のひとがカバーしているが、あややのバージョンで。




(5)『用心棒』(61)

ゴーストタウンと化した宿場に、強風。

(6)『アメリカン・ビューティー』(99)

風に舞うビニール袋。




(7)『ヘイトフルエイト』(2015)

猛吹雪が、このクセモノたちを呼び寄せた。

(8)『台風クラブ』(85)

10代の不安定さを台風の上陸とからめて出色。

相米監督の、最高傑作かと。

(9)『八月の狂詩曲』(91)

もちろん、突風の吹くラストシーン。

あらためて黒澤は、「悪天候描写の天才」だと思った。

(10)『フェイス/オフ』(97)

アクションの様式美を追究するジョン・ウーの映画では、風になびくコートでさえ美しい。

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明日のコラムは・・・

『いつかギラギラする日』

いつかギラギラする日

きょうは、かーちゃんの命日。

死んだ日は、とっても暑かったので、深作映画からタイトルを拝借してみた―そう、覚えているのは、かーちゃんの死に顔や悲しむ近所のひとたちの顔ではなく、ひたすらギラギラしていたことだけ。


トップ画像は、たぶん高2の夏休み。
汐留で開催されていた「ハリウッド映画村」に家族3人で行ったときの写真かと。


※中3のころ

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※ねーちゃんと行ったのであろう、フラワーパークでの1枚

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ここ数日、かーちゃんの夢ばかり見る。

先日は「振り込め詐欺」に引っかかった夢、一昨日はクマに遭遇して大パニック! みたいな夢。

最近起こったニュースに、あのころのまま歳を取らないかーちゃんが紛れ込むっていう設定だが、共通しているのはハッピーではないということ。

寝起きはサイアクだ、ときに泣いていることもあるし。

それでも、ねーちゃんは「ぜんぜん夢を見ない私よりマシ」という。


※死んで数週間後、父親とスナックに行ったときの1枚・・・だと思う

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実際の話、夢は自分の脳内で作り出したものであろうから、自分だけの問題なのだろうが、

「かーちゃんが心配して、やってきてくれた」

などと、ひとは都合よく解釈しがちだ。


まぁそれもよいだろう、
死者はいつだって、生きているものに都合よく扱われる、だから命日っていうのは、その罪滅ぼしに充てられるべきものなんだ―完全に間違っているのだろうが、自分はそんな風に認識し、きょうを迎えた。

かーちゃん、朝になるまで待っていてください。
沢山の供え物をして、黙祷しますんで。

とりあえず、合掌。

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明日のコラムは・・・

『初体験 リッジモント・ハイ(184)』

初体験 リッジモント・ハイ(184)

先日の朝日新聞社会面に、万引きの罪に問われたひとが「認知症」だった、、、という記事が載っていた。

「前頭側頭型認知症」という。

なるほど、そういうこともあるかもしれない。

きのうはきのうで、『3年目の浮気』がヒットした「ヒロシ&キーボー」のキーボー(59)が、化粧品を万引きして現行犯逮捕されたというニュースが。

自分の世代では、すぐにウィノナ・ライダーや「ロス疑惑」三浦和義を想起してしまうが、やっぱり、なるほど、そういうこともあるかもしれない・・・と思った。


自分のなかで、この世界には精通している―と自信を持っていえるのは、映画全般と格闘技の一部(MMA)、AV全般くらいだが、
「かじっていたから、専門的なことも多少はいえる」と思っているのは、猟奇的な犯罪史と、軽犯罪の事例の数々である。

後者は、とくに盗撮と万引き。

それを取り締まる私服の保安員をやっていたから、だが、万引きに関しては自分自身もガキのころ「病的な」加害者でもあった。

それでも。
誤解を恐れずにいえば、10代のころの万引きは(一部のガキにとっては)通過儀礼みたいなところがあり、成人後に盗っ人になってしまう可能性は「かなり」低い。

『リリイ・シュシュのすべて』(2001…トップ画像)が描くように、さほど悪くもないヤツでさえやってしまうのが万引きという「お手軽犯罪」で。
(もちろん、やらないにこしたことはないよ)


ただ中年~老年の万引きというのは一筋縄ではいかず、保安員を悩ませる厄介な事案がひじょうに多かった。

そのことについては度々書いてきたが、今回あらためて「初めての保安業」として綴ってみたい。


万引きの現場を確認し犯人を捕えて事務所に連行、警察が到着するまでのあいだ説教、のようなもの(=説諭)をする―これが保安員の主な仕事だが、よほどの鈍感でもないかぎり万引き犯は見つけられるもの、この仕事のなにが難しいかって、説諭に尽きると思う。

依頼店の事務所は、その店の従業員たちの休憩室でもある。
そのなかで、相手に頭を下げさせなければいけない。

高圧的になり過ぎて泣かせても事務所の空気を悪くするし、かといって、相手になめられてもいけないし。

自分?

まぁ、悪くなかったと思うよ。

店長さんに「グッドジョブ!!」と褒められることも、多かったし。

ただやっぱり、自分の親と同年もしくはそれより上のひとに説諭するのはしんどかった。

本気で叱れないよ、仕事と割り切ったとしても、自分だってろくでもない人生歩んでいるのにさ、「あんた、いいトシこいてみっともないよ」なんていえない。

調子に乗りまくっているガキを捕まえて脅したほうが、性にあっている・・・そう思っていたのは自分だけではないようで、新人保安員が辞めていく理由の1番こそ「年配者への説諭」だったのだ。


さて。
店長は「見せしめ」として警察送りにすることだけでなく、プラスアルファを望んでいることが多い。

捕まえたものの3割くらいが常習犯だから、余罪を吐かせ、その被害額を算出し弁償させる、、、とか。
(ほんとうは、保安員は「そこまで」やっちゃいけない)

本人はもちろん、その家族にも出入り禁止を命じる、、、とか。
(罪のない弟を呼び、彼にサインさせたときは可哀想だったなぁ)


このあいだ店長は、自分と万引き犯のやりとりを後ろのほうで腕組みして見ていることが多い。

しかしある日の事案では、店長が自分を押し退けて万引き犯に殴りかかったことがあった。

と、いうのも・・・。


つづく。


※保安員のドラマといえば、やっぱり木の実ナナかな。

よい曲ですなぁ。




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明日のコラムは・・・

『初体験 リッジモント・ハイ(185)』

初体験 リッジモント・ハイ(185)

黒髪のロングヘア―、40代前半の女の動きには、なんというか、余分なところがなかった。

そのホームセンターの常連なのか、あるいは常習的な窃盗犯として下見がきちんと出来ていたのか、

Aの棚からキッチンペーパーを取ってBの角でバッグに入れる、
Cの棚からシャンプーを取ってDの角でバッグに入れる、
Eの棚からレトルト食品を取ってFの角でバッグに入れる・・・を繰り返し、全部で12点、5000円相当の商品を窃盗した。

あまりにもスピーディーだから窃盗を確認すること(=現認)は難儀であったが、最初から怪しいと思っていたので、ある一定の距離を保ちつつ尾行を継続、8点目の生理用品を窃盗する瞬間を現認することが出来た。

女が会計を済ませずに退店するところを確認し、車に乗り込む前に声をかけた。

「―すいません」

きゃぁ!!

女は、小さな悲鳴をあげた。

「すいません、・・・分かりますよね」

「・・・」
「分かりますよね」
「えっ」
「なぜ声をかけられたか、分かりますよね」
「・・・・・」

女は観念したようで、素直に罪を認めた。

事務所に連行し「盗ったものを、すべて出してください」といったところで、店長がやってくる。

店長は女の顔をまじまじと見つめ、そうして女に近づいていった。

「すごい数を盗ったんですよ」

自分の話し声も、耳に入っていなかったようである。

女の髪をつかんだので、これはまずいと思って静止しようとすると・・・

女の髪がずれ落ち、それがカツラであることが分かった。

店長「やっぱり・・・お前か」

ばっちりと変装してきたようだが、店長は一目見てピンときたそうである。

元従業員だったのだ!!

なるほど、店の構造を知り尽くしているから、余分な動きが生まれなかったのか。

女に落ち度があったとするならば、女の退職後に私服保安員を雇ったことを「知らなかった」ところだろう。


元従業員による犯罪といえば。

ホテルに泊まった高校生たちのスマホや財布を大量窃盗したのも、元従業員だった。(長野県山ノ内町・志賀高原のホテル)

防犯カメラも設置されていたのに、鍵もかかっていたのに。
そう考えれば犯人の目星はつき易かった、、、割には、逮捕まで時間を要してしまった。

もうひとつ。
直近過ぎて、しかも凄惨に過ぎて言及するのも憚られるが、きのう発生した相模原の事件もまた、元従業員による犯行だった。
(このことについては、もう少し時間が経過してから書いてみようか・・・)


それにしても。
「元」ホームタウンかもしれないが、よくやるなぁと悪い意味で感心する。

しかも、変装してまで5000円ぽっちのものを盗んで。

ばれたときのリスクが、高過ぎやしないかい?


変装なんて、文化としてはコスプレなどがあるが、
あとは芸能人と、映画の世界のことくらいに思っていた。

イーサン・ハントとか、デ・パルマの傑作『殺しのドレス』(80…トップ画像)とかね。


ともあれ。
こうなってしまったら、保安員の出る幕ではない。

もっといえば、警察も必要はない。

店長と、元従業員の対決になるわけで。


店長は女を2度ほど殴り、「出て行け、2度と顔を見せるな!」と怒鳴り、すぐに女を帰した。

「どんな事情があろうと、警察に通報すること」と自分には命じていたのに、どうしたのだろう。

怒りが極まって、そのことを忘れてしまったか。

あるいは、

なんらかの、情が働いたのであろうか。


通常、仕事あがりの際は必ず店長に「きょうの総括」を報告するのだが、その日だけは「きょうは、いいや」と寂しく笑った―あのときの店長の顔が、いまでも忘れられないのだった。


つづく。
(あと2日間、このころのエピソードについて綴ることにする)


※『殺しのドレス』より、ゾックゾクする流麗なカメラワーク




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明日のコラムは・・・

『初体験 リッジモント・ハイ(186)』

初体験 リッジモント・ハイ(186)

ちかくに中学・高校のある店は、万引きの被害によって潰れる可能性がある―というのは、よく聞く話。

ある一面では真実であり、なんだかやり切れない思いもするが、

死角は作らない、沢山の防犯カメラを設置する、見つけたら即通報―などなど、性悪説の視点から商売を展開する必要があるのだろう。

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死角(しかく)

(1)銃砲の射程距離中にありながら、障害物や銃砲の構造上の理由などのため、射撃できない範囲
(2)ある角度からはどうしても見えない範囲
(3)身近にありながら、気がつかない事柄

※デジタル大辞泉より

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この死角の問題があったから・・・かどうか分からないが、いろんな事案を担当し、よほどのことでないかぎり驚かなくなった自分でも、ギョッとしたのが「同時間帯に、別々の窃盗犯による犯罪がおこなわれた」件である。

それほど大きいわけではないスーパーで、初老の男Aが醤油と梅干を、少し離れたところでは主婦Bが「カニ缶」を万引きしていた。

もちろん共犯ではなく、赤の他人である。

自分はAとBの中間くらいに居て、「たまたま」ふたりの犯行を現認することが出来たが、

二兎を追う者は一兎をも得ず

っていうじゃない?

ほんとうはふたりとも捕まえて、レジ打ちを担当している可愛い子に格好いい姿を見せたかった。

自意識過剰ということばが聞こえてきそうだが、そうともいえないデータが残されている。

保安員の恋人・配偶者の3割くらいが、現場における関係者なのである。

いちばん多いのが、盗撮の被害者と恋仲になるケース。

じつはこれ、自分も経験している。

被害者の女子は「このひとに、守ってもらった」という認識を持つので、恋に発展し易いというわけだ。

大傑作映画『愛のむきだし』(2009…トップ画像)の主人公は「懺悔をするため」に「盗撮」を繰り返していたわけで、真正のヘンタイとはいい難いが、現実に盗撮をするものは「気狂い」と「キチガイ」のあいだくらいに居る、そーとーヤバい奴なのだろう。

けれども自分なんかからすると、奴のおかげで彼女が出来たともいえて、感謝の念を抱かないでもない。

まぁサイテーは、サイテーなんだけれども。

パンツ見たければ、彼女作って好きなだけ見ればいいじゃないか。
(たぶん、同意のもとでは興奮出来ない病人なのだろうが)


それはともかく。
自分は器用ではないので、二兎を追ったら間違いなく「一兎をも得ず」になりそうだ。

だからひとりに絞ろうと思った。

さて、どちらにする?

よく考えたら・・・いや、よく考えなくても、妙な話だ。

どっちを挙げれば店長に「より」褒められるか、レジ打ちの子に「より」好かれるか、会社のボスに「より」褒められるか・・・そんな計算を働かせているわけだから。

たぶん正解は、被害額の大きいほうを挙げることだろう。

オーバーな話をすれば、あれに似ている。
米国で、大悪党を捕まえるために、証言する小悪党を無罪放免にするスタイルに。

今回のケースでは、カニ缶の3個パックを盗った主婦Bがそれにあたる。

しかし自分は、醤油と梅干を盗った初老の男Aに照準を絞った。

なぜかって?

自分でも分からない。

なんとなく、なんとなくだが、Aのほうが常習性が高いように感じられたから、、、かもしれない。

しかしこの男を捕まえたことによって、コトは思いもよらない展開を見せ始めるのだった・・・。


つづく。


※『愛のむきだし』テーマ曲、『空洞です』(ゆらゆら帝国)




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明日のコラムは・・・

『初体験 リッジモント・ハイ(187)』

初体験 リッジモント・ハイ(187)

みすぼらしい格好のその男Aは、清算を済ませた袋を持ってうろつき、そのなかに醤油と梅干を放り込んだ。

清算済みの袋のなかには、焼酎の瓶があった。
たぶんそっちのほうが高いのだから、醤油を買って焼酎を盗めばいいのに。

歳は、50代後半。

生活苦だろうか?

店を出た直後に声をかけると、あっさり罪を認めた。


事務所にて―。

「買った商品もあるでしょう。買ったものと盗ったもの、ここで分けてみてください」
「・・・あの、身分証とか要りますか?」
「それは、あとの話」
「・・・あの、車のなかに免許証忘れたので、取ってきていいですか」
「ダメです。とりあえず買ったものと盗ったもの、分けてって」
「・・・・・」

当然だが、逃走のおそれが1%でもある場合は、事務所の外に出すわけにはいかない。
トイレだって気をつけなきゃいけない。

15分後、ふたりの警官がやってくる。
身元の確認が始まり、男はやっと免許証を取りに行くことを許された。

保安員はときどき証言を要求されるので、いちおうの処分が決まるまでは、その場を離れることが出来ない。
通常は、(1)事務所で30分程度、(2)警察署に場所を移動してから、60分程度だろうか。

しかしこの日は、(1)だけで60分を経過していた。

ふと気づくと、パトカーが2台に増えている。

なんで?
ことばは悪いが、小粒の犯罪者なのに!

「―Aさん、ちょっと確認したいんだけどね、シャツをめくって、お腹のあたりを見せてくれますか」

なんだろう、どういうことなんだろう。

Aは躊躇したあと、ゆっくりシャツをめくった。

大きな傷があった。


「北海道に住んでましたね?」
「・・・」
「親戚の方から、10年前に、家出人捜索願が出ています」
「・・・・・」

えぇ!!


こうなると、窃盗事案のことなど「どうでもよくなって」くる。
いや、店と保安員にとっては大事だが、警察にとってはそうじゃないってこと。

沢山の書類を書かなければいけないのだろうし、北海道警に連絡もしなきゃいけないのだろうし。

Aが家出人であることが判明して以降、おまわりは何人も居るのに「誰も自分にかまってくれない」。

おいおい! といいたかったが、いっぽうで、このあとどういう手続きがされるのか興味を抱いた。

それは店長も同じだったようで、ふたりして(邪魔にならないよう後方で)腕組みをしていたのである。


Aにとってこれが、ハッピーなんだか、アンハッピーなんだか・・・それは、彼の表情を見ても読み取ることが出来なかった。


―以上が、今回の初体験エピソード。
まだまだあるけれど、守秘義務は守らなきゃね!!


さて保安員を主人公としたドラマは、テレビでは多いけれど映画では「ほぼ、ない」といっていい。

面白いと思うのだが、なぜなんだろう。

やっぱりあれか、扱う内容も含めて「小粒感」があるからか。

しかし今回取り上げたように、想像も出来ないドラマを展開させることも出来るのになぁ。。。


トップ画像は、黒澤の傑作『野良犬』(49)。

拳銃を盗まれた若い刑事の物語。

その拳銃により、殺人事件が起きてしまうという展開―なるほど、これぞ映画的! だろう。





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明日のコラムは・・・

『「すいません」か、「ありがとう」か』

のんある?

呑み仲間とよく話すのは、最近のノンアルコール飲料の質である。

とくにビールね。

質が高い、高過ぎる。

1杯目であれば「ノンアルコール」であると気づくだろうが、5杯目あたりで「純正ビールです」といわれて出されたら、なんの疑いもなくゴクゴクいってしまいそうである。
そうして実際に、酔っぱらってしまいそうである。

80年代に発表された『バービカン』とはレベルが違い過ぎる。





ノンアルコール飲料でも「実際に酔っぱらってしまう」ことはあるそうだ。

それを酒だと思い込んで呑めば、脳は騙される―プラシーボ効果というやつ。


先日の『マツコ&有吉の怒り新党』(テレビ朝日)、視聴者からの投稿で「仕事中にノンアルコール飲料を飲むのは あり? なし?」というがあった。

「実際に酒を」呑みながらモノを書き、それでギャラもらっている自分がエラソーなことはいえないのだが。

現代の日本で、それを「おおっぴらに」やるのは、やっぱりダメでしょう。

有吉ちゃんがいっていたように、「飲む」ものは「そのつもり」(酒のつもり)で「呑む」わけだし。

しかし10年後、20年後は分からない―と、番組は締めくくっていた。

そういう世の中になれば面白いな、、、とは思いつつ、我慢して我慢して我慢した「あとに」呑むからこそ、呑んだ直後の「ぷはー!!」が出来るんであってね。

まぁ繰り返しになるが、呑んで仕事しているお前がいうなって話ではある。


さて。
実際そうだったかは分からないが、『アマデウス』(84…トップ画像)では、モーツァルトがワインを呑みながら作曲するシーンが描かれる。

それも、けっこうなスピードで。

精神状態を保つために「敢えて呑んでいる」ように見える、真に迫った描写。

こうなってしまっては不幸だが、いまのところ自分は大丈夫、、、だと思う。

「呑んだほうが、よいものが書ける」と信じ込んでいるから呑んでおり、「吸わないと、よいものが書ける気がしない」と思っているから煙草を吸っている。

・・・・・。

ん?

それはそれで、重度の依存症のような気がしてきたなぁ。。。


※司祭を完全に打ちのめすエンディング・・・完璧な映画だと思う

「わたしの音楽は忘れさられ、いまでは誰も聞かない。しかし彼の音楽は―」

「あなたも凡人だ。わたしは、凡人の守り神なんだよ」

「赦そう。お前たちを、赦そう」




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明日のコラムは・・・

『部屋着は水着』

部屋着は水着

新しい水着を買った。

海に行くために買ったのは、10年ぶりくらいになるかもしれない。

2~3年にいちどは買っているんだよ、部屋着としての海パンをね。

競泳用じゃないよ、もちろん。
ダボダボした感じのやつ。

パンツだったら最寄りのコンビニに行くことも出来ないが、海パンだったら大丈夫なんだよ、ひとによっては「派手目なハーフパンツ」と解釈してくれるし。

しかしあれだね、自分の買い物は外でもネット上でも、あまり変わらないことに気づいた。

「これだ!」と即決するので、試着はしない。
そういや家電系もそう、いちおう確認するのは靴くらいなもので、あとは食い物も含めて一目で決める。

だから今回もネットでいいや・・・と思っていたのだが、インドアのハニーが「海行きたい」といったのがきっかけの買い物だったものでね、自分はそれの付き合いなわけです。

で、ハニーは結局、3時間を費やして水着を決めた。

完全にロリ系の子なので、ワンピースみたいな感じの水着。

さすがに3時間待つのは飽きるが、それでも男子禁制みたいな女子の水着コーナーをウロウロするのは楽しい。

ことばは悪い?が、マネキンと水着だけでも射精出来る気がしてきた。

自分のなかでは、水着と下着って、あまり変わらない。
だから、とってもありがたいものなんだ。

そんなわけできょうは、映画のなかで登場する水着美女の10傑を展開してみようと思う。


(1)『スプリング・ブレイカーズ』(2013…トップ画像)

ハーモニー・コリン、完全復活・・・とまではいかないが、全編ほぼ水着で演じ切る女子たちを見ているだけで満足だった。

(2)『スイミング・プール』(2003)

リュディヴィーヌ・サニエの水着姿は、入場料×2の価値はある。

(3)『初体験/リッジモント・ハイ』(82)

フィービー・ケイツの、健康的に過ぎるおっぱい。

(4)『カリフォルニア・ドールズ』(81)

プロレスを扱った映画って、ボクシングとはちがって傑作は生まれにくいのかな。

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(5)『恐竜100万年』(66)

ラクエル・ウェルチ!!

それしか記憶にない映画。

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(6)『息子』(91)

フィルムごしに見るビデオ映像ではあるが、原田美枝子のハイレグが拝める。

(7)『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』(83)

もちろんレイア姫。

演じたキャリー・フィッシャーは、自分がセックスシンボルになってしまったことを恥じた時期もあったのだとか。

(8)『海辺のポーリーヌ』(83)

なんかグッとくる。

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(9)『クロコダイル・ダンディー』(86)

あれだけ食い込んでいると、水着の意味はあるのかと思う。

(10)『青い山脈』(49)

現代では「なんてことない」のかもしれないが、当時はこれでもショッキングだったという。

若さの勝利! そういう映画だ。






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明日のコラムは・・・

『塩(潮)好き + 7月コラムの目次』

塩(潮)好き + 7月コラムの目次

単に好物だから、、、なのだが、

今年に入ってすでに、スイカを8個食べている。

もちろんカット物ではなく、1個単体で買う。


そういえば。
ここ数年、スイカの「あたり」「はずれ」を聞かなくなったけど・・・と思い、食に精通しているハニーに聞いてみると、品種改良などもあり、「甘くないものは作られにくくなった」とのこと。

へー。
すげー技術が開発されたものだ。

感心しながら「当たり前のように」塩をふりかけると、

ハニー「だから、塩も必要ないの」
自分「かもしれないけどさ~、なんか物足りないんだよね」

これをきっかけに、口喧嘩が展開されましたよと。

じつに不毛だが、どっちも引かないので解決はしない。

「長い習慣性があるんだよ、スイカといったら塩。もう刷り込まれてる、自慰する前にティッシュを準備するのに似ている」
「ぜんっぜん、分からない」

「塩かけるのが好きなんだからしょうがないでしょう、こっちの塩も好きだし、あっちのときの潮吹きも好きってことだよ」
「・・・」

ハニーは、黙ったまま買い物に出かけてしまった。

いかんいかん、真面目な? 会話のなかにも必ずエロ話を放り込んでしまう悪癖が出てしまった。

これも、長い習慣性ということ、、、だろうか。

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※現時点における、本年の良質映画

(新規)

『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』
『セトウツミ』
『疑惑のチャンピオン』
『ブルックリン』
『AMY エイミー』
『太陽の蓋』
『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』
『シン・ゴジラ』

(鑑賞順)

『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ホワイト・ゴッド』
『クリード チャンプを継ぐ男』
『ハッピーアワー』
『友達のパパが好き』
『神様なんかくそくらえ』
『イット・フォローズ』
『ブリッジ・オブ・スパイ』
『最愛の子』
『ザ・ウォーク』
『サウルの息子』
『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』
『オデッセイ』
『不屈の男 アンブロークン』
『キャロル』
『ヘイトフルエイト』
『ロブスター』
『家族はつらいよ』
『背徳の王宮』
『マジカル・ガール』
『ちはやふる ―上の句―』
『リップヴァンウィンクルの花嫁』
『蜜のあわれ』
『ルーム』
『無伴奏』
『LOVE【3D】』
『レヴェナント:蘇えりし者』
『モヒカン故郷に帰る』
『オマールの壁』
『スポットライト 世紀のスクープ』
『さざなみ』
『映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』
『アイアムアヒーロー』
『殿、利息でござる』
『ディストラクション・ベイビーズ』
『ちはやふる ―下の句―』
『64 ロクヨン 前半』
『ヒメアノ~ル』
『神様メール』
『サウスポー』
『FAKE』
『シチズンフォー スノーデンの暴露』
『エクス・マキナ』
『裸足の季節』
『葛城事件』
『帰ってきたヒトラー』
『日本で一番悪い奴ら』

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【今月のスケジュール】

★本日・・・塩(潮)好き + 7月コラムの目次
☆2日・・・creature
★3日・・・sweat & tears
☆4日・・・vacation
★5日・・・フェスってきます

~ロンド形式連載~

(1)にっぽん男優列伝・・・月6~7回。森繁久彌さんから。
(2)初体験 リッジモント・ハイ・・・週1~2回
(3)シネマしりとり「薀蓄篇」・・・週1回
(4)俳優別10傑・・・月2回

では皆さん、お楽しみに。

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~7月度のコラム一覧~

1日…前歯、生まれ変わる。 + 6月コラムの目次
2日…皿に盛る
3日…ケツに火がつく
4日…おのののかに三角締め
5日…俳優別10傑 海外「は行」篇(1)
6日…80年代の狂人 ~追悼マイケル・チミノ~
7日…祝祭
8日…にっぽん男優列伝(331)六平直政
9日…にっぽん男優列伝(332)村野武範

10日…罪深きタイトル
11日…惹句ってことば、なんか格好いい
12日…初体験 リッジモント・ハイ(180)
13日…初体験 リッジモント・ハイ(181)
14日…初体験 リッジモント・ハイ(182)
15日…初体験 リッジモント・ハイ(183)
16日…コンクリにポスター
17日…俳優別10傑 海外「は行」篇(2)
18日…シネマしりとり「薀蓄篇」(173)
19日…シネマしりとり「薀蓄篇」(174)

20日…恐縮です。
21日…にっぽん男優列伝(333)室田日出男
22日…にっぽん男優列伝(334)本木雅弘
23日…階段
24日…からっ風野郎
25日…いつかギラギラする日
26日…初体験 リッジモント・ハイ(184)
27日…初体験 リッジモント・ハイ(185)
28日…初体験 リッジモント・ハイ(186)
29日…初体験 リッジモント・ハイ(187)
30日…のんある?
31日…部屋着は水着

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明日のコラムは・・・

『creature』

愛に関する五百通の手紙

ミルズ「―なにをきっかけにヒトゴロシになるかなんて、分からない。ジョディ・フォスターの声で、レーガンを撃ったヤツだって居る世の中だ」

映画『セブン』(95)より

…………………………………………

ヤツが、戻ってくる。

映画ファンのあいだではよく知られている犯罪者、ジョン・ヒンクリー。

レノンを撃ったマーク・チャップマンや、シャロン・テートを惨殺したマンソンほど有名ではないが、
10代のころのジョディ・フォスターに恋をして、ストーカーとなり、当時の大統領レーガンを撃った男である。

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『タクシードライバー』(76)の狂信的な信者であることは自分と一緒だが、それを地で行ってしまうとは。

けれども「電波受け取っちゃった」系の犯罪者はヒンクリーにかぎった話ではない、
女子大生シンガーをめった刺しにした男だって、ひょっとすると相模原の犯人だって同種かもしれない。

(日本でいう)医療刑務所にずっと入所していたヒンクリーも、現在は還暦を過ぎている。

「危険性はない」という判断で「戻ってくる」ということらしいが、この事件がジョディに与えた影響はあまりにも大きい。

裁判では『タクシードライバー』が上映され、一部では監督スコセッシに対する批判もあがった。

それだけ、この映画の持つ負のエネルギーが強烈だった―という証にもなるのかもしれないが・・・。

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映画を学ぶ学生だったころ、自分は「伝記」の課題シナリオでヒンクリーを取り上げた。
きょうのタイトルと、トップ画像がそれである。

同級生が向田邦子や諸葛孔明を取り上げるなか、ひじょうに浮いていたが周囲の評判はよかった。

同級生のひとりは「題材がよかったんだ」と評し、それは褒めているのかもしれないが、カチンときた。

彼はたしか、映画監督の川島雄三を取り上げていた。

そっちだって、よい題材じゃないか。

しかし彼のシナリオは評価を受けなかったので、その負け惜しみだと解釈した。

モノがちがうんだよ、オメーなんかと。
こっちは、愛と憎悪で映画を捉えているんだクソ童貞めが! そんな風に思ったのであった。


タイトルの「五百通」とは、ヒンクリーがジョディに送った恋文を指している。

ヒンクリーとジョディのキャリアを調べたうえでのシナリオ化ではあったが、この数は「多少」どころか「かなーり」盛っている。

映画的なインパクトを意識した脚色だ。
しかし手紙の内容は誇張せず、実際に公開されたものを「そのまま」引用した。

以下の手紙は、ヒンクリーが「決行」する前、ジョディに最後に送った手紙とされている。


歴史的価値? のあるものだと思うので、全文載せておこう。

…………………………………………

やあジョディ、

レーガンを暗殺しようとすれば、こっちが殺される可能性も大きい。だから今のうちに君に手紙を書いておく。

知ってのとおり、僕は君のことをとても愛している。この数カ月、多くの詩や手紙やメッセージを送った。ひょっとしたら君が僕に興味を持ってくれるのではないかと思ったからだが、そうはならなかった。

少なくとも君が僕の名前を知っていて、僕が君のことをどれほど好きかも知っていてくれているのは嬉しい。僕が君の家のドアの下や郵便受けに残したメッセージが迷惑だったのは分かっているが、僕にとってはこの方法が一番ラクに想いを伝えられる方法だった。

君とは電話で2回話したけれど、君に直接自己紹介する勇気はどうしても出なかった。内気なせいもあるが、本当に君の邪魔をしたくなかったんだ。そして君の宿舎の周りを行き来しながら、僕は気づいた。僕は笑い者かもしれないが、世間話以上の存在だと。少なくとも君は、僕がずっと君を愛することを知っている。

ジョディ、もし君の心を奪い、残りの人生を共に過ごせるなら、レーガンを殺す計画はすぐやめる。認めるよ。僕がこんなことをするのは、今すぐ君にわかってもらいたいから。君のためならこれだけのことが出来るんだということを、はっきりとわかってもらわなければならない。自分の自由やひょっとしたら命さえ犠牲にしても、君に僕のほうを振り向いてもらいたい。これから1時間後に、(レーガンのいる)ヒルトンホテルに向かう。

ジョディ、お願いだから自分の心をよく見つめて、こんな歴史的偉業を果たす僕に、君の尊敬と愛を勝ち取るチャンスをくれ。

永遠の愛を、
ジョン・ヒンクリー

…………………………………………

『タクシードライバー』より、銃の密売シーンを。

トラビスが、銃の所持許可証を持っていなかったのは意外だった。

そしてこの密売業者の、うさんくささといったら、ない。
銃だけでなく、ドラッグやキャデラックも売ろうとするし。




…………………………………………

明日のコラムは・・・

『creature』

creature

公開されたばかりの『シン・ゴジラ』が当たっている。

興行面だけでなく、批評面も概ね好評。

アンノ監督の信者というほどでもないけれど、この映画監督が命をすり減らして映画と対峙しているところに共鳴しつつ、畏怖の念をも抱いており、この成功で『エヴァンゲリオン』の新作が動き出しそうなので、こころの底から「よかった!」と思っている。

今回のゴジラは、着ぐるみではない。
全編CGである。

このクリーチャーデザインを「端っこのほう」で支えたのが友人のAで、彼から困難を極めた制作現場の話を聞いた。




ここで話せるような内容ではないのだが、今回、初めてAの自宅で酒を酌み交わし、彼の病的なクリーチャー愛に触れて、ちょっと感動している自分が居た。

部屋は、等身大? のクリーチャーフィギアに支配されていた。

ベッドはもちろん、机の上にも、玄関にも、そうして、浴室までも。

creatureという単語にはいろんな意味があるが、映画では主に「架空の動物」を指す。

そこできょうは、映画のなかに登場する「creature10傑」を展開してみたい。


※広~~い意味でのcreatureとする


(1)エイリアン…『エイリアン』シリーズ(79~)

トップ画像。

おぞましさと、美しさと。

デザインを担当したギーガーは、自分のなかのヒーローのひとりです。

(2)タコの化け物…『ポゼッション』(81)

映画史上、最もインパクトのあるセックスシーンかと。

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(3)毒々モンスター…『悪魔の毒々モンスター』(84)

悪い冗談のような映画だが、その制作姿勢は、じつはびっくりするほど真摯だったりする。

(4)ファルコン…『ネバーエンディング・ストーリー』(84)

「もふもふ」系のドラゴン。

強引に括れば、猫バスの感覚にちかいか。

(5)クリッター…『クリッター』(86)

凶暴なハリネズミ、、、といったらいいのか。

映画としては弱いのだろうが、なんとなく印象に残っている。

子役時代のレオが出演していることで有名。(パート3)

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(6)ゴジラ…『ゴジラ』(54~)

日本が誇る化け物の王様。

今回、日本発で復活出来て、たいへんうれしい。

(7)オードリー…『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』(60、86)

喋る植物―ビジュアル的にもインパクトがあって、下手に動く化け物より恐ろしかった。

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(8)それ(The Thing)…『遊星からの物体X』(82)

エグさでいったら、エイリアンと双璧。

ワンちゃんが、可哀想だった・・・。

(9)プレデター…『プレデター』(87~)

醜い見た目に反し、知能指数が高いところが厄介だった。

(10)デッドリー・スポーン…『デッドリー・スポーン』(83)

映画としては、下の下の下。

しかし無数の牙を持つあの化け物は、夢に出てくるレベルの狂気が宿っている。

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明日のコラムは・・・

『sweat & tears』

大理石のうんち

「―いつまで経っても偉人の話とか、進歩がなくてつまらな過ぎる! 偉人は、大理石のうんちでもするっていうんですか!?」

「なにをいっている! 分をわきまえなさい」
「皇帝は、我慢しておられるのだ」

「・・・・・」

「・・・申し訳ありません。ボクは下品な男ですが、ボクの音楽は美しいんです」

映画『アマデウス』(84)より、モーツァルトが『フィガロの結婚』の上演許可を皇帝から取りつけるシーン

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きょうは、身も蓋もない排泄の話。


自分のことを記す前に、まず。
女子用のエナジードリンクだったはずなのに、商品名がアレなために「一部男子」が飛びついてしまった『お嬢様聖水』というのがある。

まぁ、聖水だからね。

買っちゃった男の気持ち、分からないでもないが。

開発担当者のコメントが、洒落が効いていて笑える。

「発売と同時に、全国からネット注文をいただいております。そのほとんどが男性です。お一人で10ケース(300缶)ご購入いただいた方もいます。“美容と健康のための、お嬢様のための聖なる水”という意味で名付けたのですが、意図しない方向で反響を呼んでしまい動揺しています。
弊社には看板商品である『お嬢様酵素』という女性向けの酵素ドリンクがあり、それをベースに飲みやすく炭酸で割ったもの。おしっこ? そんな狙いはありません!」

あはは!!


まぁ、それはそれとして。

自分は立って小便が出来ない・・・とだけいうと、いろいろ語弊があるな。

トイレ以外、いわゆる「屋外での立ちション」は出来る。
しかしトイレで小便をする際は、可能なかぎり便座に座って放出したい、、、そういう男であると。

小も大も座って済ませたいんだよ。

こういうタイプの男子は、80年代ではレアだった。
しかし最新の統計によると、「座ってしたい派」が「立ってしたい派」を上回りつつある。

どうして割合が増えたかは、当事者である自分でも分からない。
たぶん、totoさんに聞いても「はっきりと」は分からないのではないか。

それでいて自分は、シャワーの際に「ついで」の感覚で小便をする傾向にある。
このときは、あれほど? 嫌がっていたはずなのに、体勢としては「立って小便」なのだ。

きっちりしているようでいて、じつはそうでもない。
小便ひとつとっても自身の矛盾が感じられるというわけだが、そういうところを含めて自分が大好きなのだから救いようがない。

・・・と、書いてはみたものの、その前の部分で自分が大好きといっているので、救いようがないという自己否定は完全なウソということなるのだろう。


なぜこんな話を展開しているのかというと、今年の上半期だけで「複数回」うんちを漏らしてしまった事実があり、
もうここまでくると「自分のユルさ」に笑うしかなく、実際に単に笑っているだけで、「その対策」を取ろうともしていないのだ。

対策といってもなぁ、替えのパンツを持ち歩くくらいしか浮かばないし。

昔からユルいほうであったが、歳を取るごとにひどくなっている。

思うのは、小学生のころに学校で漏らしたら「いじめの対象」になってしまうが、
成人後に漏らした場合、そりゃ「軽蔑の対象」にはなるのかもしれないけれど、けっして「いじめの対象」にはならないってこと。

だからユルいガキには、辛いのは今だけだ!! と励ましてやりたいところだが、その「今」がしんどいのであってね、気楽なもんだなオメーは! と思われるだけかな。


いつもいっている気がするが。
漏らす傾向にあるユルいひとと、ぜんっぜん出てこない便秘気味のひと―どっちが、しんどいのだろう。

恥をかくのが多いのは圧倒的に前者だが、後者の場合は精神面で厳しそう。

出物腫れ物所嫌わず。
これを地で行く自分には、出ないしんどさは一生分からないのだろうな~。





…………………………………………

明日のコラムは・・・

『vacation』

vacation、あるいはholiday

好きで選んだのだから、自分の仕事に関して不平不満は持たない。

ということを前提にしたうえでいうと、

職業柄、世間一般でいうところの休日・祝日ほど仕事が入るので、成人後、黄金週間や盆、正月などの大型連休を満喫したことがない。




それでいいと思っている。
なんでもない平日の昼間からシコってビール呑んでいると、社会の一員でさえないような「罪深さ」を覚えちゃったりもするのだが、現在ではそれにも慣れて「かえって」気持ちよくなることがあるし。

ガキのころは、当然みんなと一緒だったけどね。

夏休みの思い出。

高2・高3は、アルバイトばっかりしていた。

高1は、オリジナルの減量に挑んでいた。

中3は、多少は受験勉強でもしていたのだろうか。

中2のころが肥満マックスであったので、喰って寝てばかりいたか。

小学生のころは、たぶん海とかに連れて行ってもらっていたはず。

まぁ、ありきたりな夏休みだ。


映画の世界では、とくに日本映画は、夏休みを境に友人との関係性が変わっていくという物語が多い。

『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』(93…トップ画像)とか、『リリイ・シュシュのすべて』(2001)とか。
変わり種では、『毎日が夏休み』(94)なんていうのもあったり。

黒澤の『八月の狂詩曲』(91)も、夏休みの出来事を描いていたっけ。


だが自分が経験した夏休みに、そんな「特別感」はなかった。
なかったが、多くのひとだって「そんなもの。」なんだろうと思う。

いつだったか、仲間たちと「好きな映画」をいい合っていく遊びを展開していて、後輩のひとりが「きらきらひかる、青春映画。」ばかりを挙げていくので「どうしてだろうね」というと、
彼は「自分の青春時代が、あまりにもしょーーーーもなかった。だから、眩し過ぎて見えなくなるくらいの物語に憧れる」と返した。

なるほどなぁ、そういう捉えかたもあるのか。

憧れる物語といえば、自分なんかは、ジョディが最も艶っぽかった時代の『君といた夏』(88)あたりか。


とはいえ。
「特別感」とは無縁だったかもしれないけれど、ガキのころの夏休みは、やっぱり楽しかったわけで。

現在の思考と収入のままで、もういちど経験出来る・・・としたら「特別感、ありあり」の夏休みを過ごせそうだが、いやいや、金がかかるだけかもしれない。

うまいもん喰って、ビール呑んで、映画を観まくって、女子と遊んで。
・・・って、いつもとあんまり変わらないじゃないか、その程度の男なんだな自分は。


あっ。
そういえば、ヒトナミに「この日だけは、オフにする」と決めている日があった。

誕生日とクリスマス。

けっ!
10代の少女かよ!!

って?

まぁ、自分でもそう思う。

けれども実際、この日だけ休めれば、べつに100日連続だって仕事していいと思っているし。
思っているだけなので、出来るかどうかはべつの話じゃ。

で、たぶん25歳のころから現在まで、ほんとうに誕生日とクリスマスには仕事を入れていないので、自分だってなかなか幸福者じゃないかと、いまさらながらに思うのであった。





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明日のコラムは・・・

『俳優別10傑 海外「ま行」篇(1)』

俳優別10傑 海外「ま行」篇(1)

~マイケル・ダグラスのキャリア10傑~

反骨の男カークの息子、マイケル・ダグラス。
現在71歳の彼のことを、「父親超えを果たした」と評したとしたら、年配の映画ファンのかたは怒るかな。

でも自分の世代では、そう解釈しているひとは多いと思う。

そりゃ最近は振るわないし、
セックス中毒で笑いもの? になったことはあるけれども、

(20世紀の)主演作のほとんどはスマッシュヒットを記録し、また、プロデューサーとしても優秀で、『カッコーの巣の上で』(75)や『フェイス/オフ』(97)などを世に送り出した功績は大きい。

夫人は、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ。
結婚した際の「離婚時の慰謝料取り決め」が話題になったものの、10年以上も夫婦をやっているわけで、もう離婚の心配はないかな。

そんな、イキザマも含めてアメリカン!! な、マイケルさんのキャリア10傑は以下のとおり。

(1)『フォーリング・ダウン』(93)

映画小僧にファン多し。

フツーのオッサンがキレる―20世紀よりも、現世紀のほうがリアリティを感じられるところが怖い。




(2)『トラフィック』(2000)

野心が現実に打ち負かされる瞬間―それでも彼は、それを乗り越えようとする。

麻薬戦争を多角的に捉えた大傑作。

(3)『ブラック・レイン』(89)

多少の違法行為も厭わない、米国映画の典型的な刑事を好演。

健さんに、最後に渡すプレゼントの仕掛けが素敵だった。




(4)『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』(84)

相性のいい共演者、キャスリーン・ターナーとともに繰り広げる冒険活劇。

(5)『ローズ家の戦争』(89)

こちらもターナーとの共演作だが、夫婦喧嘩が殺し合いに発展するというブラックな味つけ。

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(6)『チャイナ・シンドローム』(79)

メルトダウンが起こった「あのころ」、レンタルショップでは軒並みレンタル中になったのだとか・・・。

(7)『ウォール街』(87)

インサイダー取引に関わる、強欲なゲッコーを演じてオスカー主演賞受賞。

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(8)『コーラスライン』(85)

主役はあくまでもダンサー、しかし彼ら彼女らを支えるのはマイケルさんだった。

この映画に関しては、役者云々より、えっ、リチャード・アッテンボロー監督って、こんなのも撮れるのか! という驚きのほうが上回ったのだけれども。

(9)『氷の微笑』(92)

モテる男の受難、パート1。

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(10)『危険な情事』(87)

モテる男の受難、パート2。

どうしてこんなに、似合うのでしょう笑笑

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明日のコラムは・・・

『アクメの演技』

アクメの演技

(1)20歳前後

(2)地方出身者

(3)責任感が強い

―そんな子が、危ないという。

あぁ分かる分かる、しかしこれは、自分の「性」春時代では起こり難かったことであり、だからAVの隆盛期にあった90~2000年代ではなく、衰退「しかかっている」2010年代、つまり現代特有の「大」問題なのだった。


かつてAV女優のインタビューや、撮影現場の取材をやっていた・・・という経験からだろう、今回の騒動が公になって以降、友人知人から意見を求められることが多くなった。

「ほんとうに、そんな世界なの?」
「犯罪じゃないか!」
「まっき~も、その現場を目撃した?」

答えはNO。
だからこれは、2010年代に入ってからの問題なのだもの。


先日のNHK『クローズアップ現代+』でも取り上げられた、若い女子の「AV出演強要」問題である。

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まず、最初にいっておく。

自分はAVが好きだ。
訂正、病的に愛でていることから「AV狂」といっていいと思う。

日本のそれは女優さんの質だけでなく、男優さんのテクニックも素晴らしく、またジャンルも多岐にわたり、「ユーザーありき」の視点で構成された演出も含め、世界中で高評価を受けている。

ただ強調しておきたいのは、飯島愛のおかげで市民権を得たかもしれないが、それでもやっぱり特殊な職業であり、
感覚としては男子の肉体労働とは思うものの、そーとーな覚悟が要求される点において「フツーではない」ということ。

それはカメラの前で性行為をおこなうことだけでなく、ネット社会の到来により「永遠に残るものになる」ことも含めて「フツーではない」のだ。

タトゥーどころの話じゃないでしょう。

それを自覚したうえで、なおも「やりたい、この世界で成功したい」といってくる子に対して、自分たち? は尊敬と感謝の念を抱く。

だからこの世界に、「強要され」「泣きながら」出演する子が居ちゃいけない。


そりゃ昔だって、たとえば彼氏に売られたとか、借金返済のため仕方なくやっているとか、そういう子は居た。

けれども今回の件で問題なのは、

「モデルをやらないか」と声をかけられたのに・・・

(1)契約書もろくに読ませてもらえない

(2)その契約書にも、きっちりと「AV出演あり」と明記されていない

(3)中年の男が複数で囲み、脅す

(4)撮影当日に裸で逃げ出したとしても、強引に連れ戻される

・・・という、犯罪行為が実際におこなわれていたという事実にある。


ほとんどレイプじゃないか。

さらにいえば、被害に遭った子に対し「甘い」「自業自得だ」と匿名でネットに書き散らすことはセカンドレイプに等しく、
「勝手にAVの動画に使われた」過去が発覚し、番組を降板した松本圭世が「どこに向かって戦えばいいのか分からない」といっているように、被害者たちは「いちどの過ち」をずっとずっと気に病んで毎日を過ごしている。


アクメ(=絶頂)が演技であることを認識したうえで、我々ユーザーはファンタジーに浸る。

AVとはファンタジーと同義語のはず。
だからもし、抵抗するさまや涙が演技でなかったとしたら、それはもうAVではない。

誰かがいっていた、そこに文化が介在しないと不能になるイキモノ―それが男であると。


トップ画像は、この問題を実名告白したAV嬢の香西咲。

びっくりした。
いわゆる素人モノAVだけの問題かと思っていたのだが、まさか彼女のようなメジャー級の女優さんまで「騙されていた」とは・・・。


女子を食い物にしていた、このメーカー社長は逮捕され、香西ちゃんの実名告白の効果もあって、AV出演強要問題は広く知られることになった。

それでも、まだ足りないと思う。

振り込め詐欺の被害がこれほど報道されているというのに、それでも連日のように騙されるひとが居るわけでしょう。

だから、しつこいよ! と突っ込まれるほど、この件に関する情報を流すべきなんですよメディアは。


いっぽうで、自分がファンでありつづける「つぼみ」はデビュー10周年を迎え、出演本数も1000本を超えるなど、この世界で活躍をつづけるAV女優さんも居て。

彼女たちは、今回の件で(それでなくとも偏見の多い)AV業界が、さらに偏見の目で見られることに不安を抱き、「そういうメーカーは、ごく一部」と発信を始めた。


ネットにおける無料動画サービスの広がりによって、かつて隆盛を極めたAV業界は衰退しつつある。

ゆえに起こった今回の問題、

はっきりいえば、この現実を知ったうえで「そのAV」を観てヌケるヤツが居たとしたら、そいつは異常者だ。

正常なものは、きっと萎えるはず。

萎えることがないようにするためにも、この世界には健全さが必要なんだ。

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明日のコラムは・・・

『それで、いいや…。』

それで、いいや…。

「いらっしゃいませ! ご注文を、どうぞ」
「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………牛丼、並で、いいや」
「ありがとうございます! 並一丁!」
「はい並一丁、ありがとうございま~~す!」

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頼むほうは向こうで、こっちは頼まれるほう。

だから、そんなネガイゴトなど・・・と思いつつ、ちょっとがっかりすること。


かつて牛丼店でアルバイトをしていた。

日本生まれのファストフードとして、商品をスピーディに提供するという教育は、ひょっとしたらマクドナルドの比ではないほど徹底されていたかもしれない。

だからカウンターに座ったお客さんに対しては、入店後、すぐにオーダーを聞きにいく。
ほとんどのお客さんは、座る前から「何を食べたいか」を決めているので、水を置いてから厨房にオーダーを通すまで5秒も要さなかったりするものである。

しかし、なかには「食べたいものを、じっくり決めたい」お客さんも居て。

そっちのほうが、自然のはずなのだけれども。。。

そういうお客さんにとっては、「いまか、いまか」とオーダーを待つ店員はウザったいはず。

だからこそ、語尾がそうなってしまうのかもしれない。

「それで、いいや…」

でも。
なんだか、がっかり。

「それで、いいや…」ではなく「それが、いい」といってほしい。

「それで、いいや…」を前にして「それで、いいや…」な気分で商品を食べてほしくない。
俺は「これが喰いたかった!!」と表現してほしい、「これじゃなきゃダメなんだ!!」と吠えてほしい、
だから品切れだった場合に、こっちが想像する以上に落ち込んでほしいのである。

当然、金を払うのは向こうなんだから、どういう言動を取っても勝手でしょう。

「それで、いいや…」も自由、「ごちそうさま!」をいわずに店を出ても自由。

それは分かっているけれど・・・という話ね。


21世紀に入って以降、牛丼店の努力によって若い女子や子どもの客も随分と増えた。
とはいえそれでも、牛丼が「労働者階級の食べ物」であることに変わりはない。

身体が資本のおっちゃんたちに、そんなネガイゴトをしたくなる自分は、繊細に過ぎるのだろうか・・・。


※トップ画像は、星野源×夏帆の『箱入り息子の恋』(2013)。
牛丼店が登場する映画のなかでは、いちばん印象的かなと。

というわけで、源くんのナンバーを。
ほんとうに、元気出ます。涙も出てくる。




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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(175)』
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