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Channel: Cape Fear、in JAPAN
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シネマしりとり「薀蓄篇」(175)

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しんめと「りー」→「りー」りんちぇい(リー・リンチェイ)

ジェット・リーの名前でハリウッドデビューも果たした、リー・リンチェイ(李連杰)。

リンチェイを一躍有名にしたのは『少林寺』(82)、




しかし当時「成龍」(ジャッキー・チェン)に夢中になっていた自分は、李小龍(ブルース・リー)には興味を抱けても、リンチェイには「あんまり…」だった。

返還前だったから、中国と香港のちがい?
とも思ったが、いやいや、ガキにはそんなこと分からないだろうし、香港出身だけれど周潤發(チョウ・ユンファ)も「どちらかというと、苦手」だったし。
(『男たちの挽歌』(87)は、大好きだったけど)


誤解を生む表現かもしれないが、「映画性」があるか・ないかの差だったのではないか。

格闘技好きとなった現在の自分であれば「あり。」、しかしガキにはリアリティがあり過ぎて「そういうんじゃないんだよな…」と思っていた(ような気がする)。

だから86年の『阿羅漢』(あらはん)も観たには観たが、あまり感心しなかったと記憶する。
(では「映画性、ありあり」だったユンファはどう説明するのか・・・といえば、それは単純に「顔」が好きじゃなかった、、、のかもしれない汗汗)


98年、『リーサル・ウェポン4』でハリウッドに。

これで、ちょっと見直した。
映画としては「それほど…」だったものの、アジア時代にはなかった「くだけた感じ」が新鮮で、「ジェット」という名前も効果的に働き、悪くないじゃん!! と。

ハリウッドも小柄なジェットを受け入れた・・・と解釈出来たのは、それ以降に連続して出演作が創られたから。

『ロミオ・マスト・ダイ』(2000)や『キス・オブ・ザ・ドラゴン』(2001)、『ザ・ワン』(2001)は、ジェットの身体能力を存分に発揮させた快作だと思う。
とくに『キス・オブ・ザ・ドラゴン』は、演出が鮮やか、共演するブリジッド・フォンダも魅力的で、ジェット・リー主演の映画では最も成功した代表作だろう。


※じつは『マトリックス リローデッド』(2003)の、この役もオファーされていた。

似合っていたんじゃないかな~。





その後も・・・
チャン・イーモウによる『HERO 英雄』(2002)、
『ダニー・ザ・ドッグ』(2005)、『ローグ アサシン』(2007)と好調、
2010年にはスタローン隊長から指名を受けて『エクスペンダブルズ』に参加、

さらに同年、格闘シーンなど「あるわけがない」シリアスな中国映画『海洋天堂』―自閉症を患う息子と、その父親の物語―に主演し、演技力が「純粋に」評価される。


米国におけるキャリアだけで見れば、ひょっとすると成龍を超える活躍かもしれない。


あすのしりとりは・・・
りーりん「ちぇい」→「ちぇい」す。

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(176)』

シネマしりとり「薀蓄篇」(176)

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りーりん「ちぇい」→「ちぇい」す(チェイス)

chaseとは、簡単にいえば追跡のこと。
だからカーチェイスで、「車の追いかけっこ」となる。

現実の事件として「車の追いかけっこ」があったとしても、ニュースキャスターは「まるで映画のような…」と表現するわけで、そのくらい映画的な、、、というか、映画と相性のいいアクションだといえる。

というわけできょうは、「車」にかぎらない「追いかけっこ」の10傑を展開していこう。


(1)『RONIN』(98)

この映画に出会うまで、カーチェイスといえば2位につけた「あの映画」だった。

そのくらい、このカーチェイスは素晴らしい。

長さも!!




(2)『ブリット』(68…トップ画像)

スピード狂、マックィーンの面目躍如。

そして、サンフランシスコという舞台設定も最高。

(3)『プロジェクトA』(83)

ほとんど語り草、自転車チェイス。



(4)『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』(84)

アイデアいっぱい、トロッコのチェイス。

(5)『ハートブルー』(91)

ひとVSひと―これぞ、真の追いかけっこ。




(6)一連のチャップリン映画

特例。

浮浪者VS警官―いや、ある意味でこれが1位かも。

(7)『トレインスポッティング』(96)

冒頭の追いかけっこ。

じつは、なにをして追われているのか分からない・・・が、なんとなくは想像出来るし、本作の性格を決定づけている出色のオープニングかと。

(8)『凶弾』(82)

日本代表は、知るひとぞ知る怪作で。

主演が石原良純というのも、オドロキだぜ!!



(9)『マトリックス リローデッド』(2003)

高速道路における、バイクと車の超絶カーチェイス。

CGの可能性を感じさせてくれた。

(10)『ザ・ロック』(96)

「ポルシェがパァだ」
「俺のじゃない」



わはは!!


次回のしりとりは・・・
ちぇい「す」→「す」いーつ。

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明日のコラムは・・・

『丸め!!』

丸め!!

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「鉄棒とか跳び箱とか、一人でなんとかやる奴はまだいい。野球とかサッカーとかラグビーとか、ルールがよくわからなくて集団で球を追いかけてワサワサやる奴。あれが子供の時から駄目なのである。

球そのものもなぜか嫌いだ。
中学の時いじめに遭い、磔にされて球をぶつけられたからかも知れない。

コロコロしやがって! 丸め! 球を見るたびそう思う」

※松尾スズキ、『この日本人に学びたい』より

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五輪に甲子園、
そのあいだだって休まないプロ野球、
そして、ひっそりとMMA(総合格闘技)まで開催されていて。

皆がいうことだが、眠れるわけがねぇ!! と。

熱心に追いかけているのは、格闘技以外は、主に球技。


ただ、松尾スズキ同様、自分で球技をやるのはダメである。

丸め!! と思ったことはないが、自分の場合、協調性に欠けるので団体競技に向いていないというのがポイントで。

個人競技もあるけれど、球技はやっぱり「見るにかぎる!」と。


そんなわけできょうは、映画で取り上げられた球技の10傑を展開してみよう。

野球やサッカーは強いけど、バレーやバスケットは弱いんだよね映画の世界では。


(1)『ナチュラル』(84)

種目「野球」

付き合う女によって成績が変わっていく野球選手を、ロバート・レッドフォードが好演。



(2)『メジャーリーグ』(89)

種目「野球」

選手それぞれの個性が際立っていて、いかにも映画的。

眼鏡をかけたチャーリー・シーン、なかなかクールだと思うけど。

(3)『少林サッカー』(2001…トップ画像)

種目「サッカー」

愛だよ愛、のクライマックスに、なんだか泣けてきてしまった。

こんなに笑えるコメディだというのに!!

ヴィッキー・チャオの可憐さに星ひとつオマケしたくなる。

(4)『ハスラー』(61)

種目「ビリヤード」

スコセッシ狂としてはパート2を推したいが、格好よさはオリジナルには敵わない。

(5)『ピンポン』(2002)

種目「卓球」

躍動感!! それに尽きる。




(6)『ウィンブルドン』(2004)

種目「テニス」

キルスティン・ダンストが、ちゃんとアスリート体型になっていて感心した。



(7)『インビクタス/負けざる者たち』(2009)

種目「ラグビー」

イーストウッドは、なにを撮っても「及第点以下」にはならない。

(8)『桐島、部活やめるってよ』(2012)

種目「バレーほか」

メインは(桐島が在籍していた)バレーだが、野球やバドミントンなども描かれる。

とくに、野球部の先輩はよかったねぇ。

(9)『勝利への脱出』(81)

種目「サッカー」

意外と似合う、ユニフォーム姿のスライ。



(10)『ティーンウルフ』(85)

種目「バスケット」

マイケルの身長にバスケは似合わない・・・からこそ、面白い。

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明日のコラムは・・・

『初体験 リッジモント・ハイ(188)』

初体験 リッジモント・ハイ(188)

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水着
薄着
ミニスカート
スイカ
カブトムシ
かき氷
花火
甲子園
ビアガーデン
無防備な女子高生




夏からイメージすること・ものを10個挙げてみた。

ガキかよ!
エロかよ!!

まぁ否定はしない。
自分は、その程度の男だっつーの。


先日―。
むか~し在籍していたアルバイト先の呑み会に誘われて。

LINEで「自分、もう部外者だけど参加して、いいんけ?」と質問してみたらば、「牧野さん来ないと夏が始まらない」と返された。

それを真に受け、そうか、夏男みたいなイメージがあるのか、、、と。

いや、それはたぶん、単に汗臭いからじゃないかと打ち消しにかかる自分が居たりして。

それはともかく。
夏本番である。

もういいよ! といいたくなるほど暑い。

わが群馬の館林は毎年のように最高気温を出していた・・・はずなのだが、今年にかぎっては西日本のほうが強い。

郷土愛のなさを詰られることの多い自分でも、ナンバーワンになれないことの悔しさはある。

あれ自分、意外と故郷が好き? なんつって。


実際のところ、けっして夏男ではない。
かといって寒さにも強くない、春は花粉症があるから大嫌い、消去法で秋男? になるのかな。

好んでアウトドアな格好をするが、積極的に外に出ようとするタイプでもない。
映画小僧の三流ライターだものね、基本はインドアなのだ。

でも女子の薄着を拝みたいから、頑張って? 外に出ると。


そんな自分がすすんで外に出ようとするイベントといったら、それは夏フェスと花火大会くらい。

今年はワケあって夏フェスには行けないが、その代わり花火大会は原稿書きをサボってでも行こうかなと。
(ここは編集長も読んでいるので、その時点でアウトだ)

こんなザーメンクソヤロウでも年にいちどは拝みたくなる、花火の魅力ってなんだろう。

それはやっぱり・・・月並みな表現にはなるが、そのはかなさなんだと思うわけですよ。

一瞬の美。
花もそうだが、ひとって、そういうものに弱いみたいだ。

というわけで、今回の初体験テーマは「初めての花火大会、上京後篇」でいってみたい。

「上京後」としたのは、「生まれて初めて」の花火大会を覚えていないから。


上京後の自分が初めて行ったのは、調布市が開催する花火大会。

隅田川などに比べると知名度は低いかもしれないが、それでも遠方からも続々とひとが集まる、なかなかに盛大な花火大会だった。

自分とは「まったく関係のない」マンションの屋上で、ある女子と花火を眺めたのだが・・・。


つづく。


※自分にとっての、「夏の曲」。

柄じゃない?

自分でも、そう思う。

ガキのころは、憧れたもんですよ、この歌の世界観に。

でも大人になっても、この世界には飛び込んでいけなかった。
というか、どの道を歩けばこの世界に辿り着くのかも分からなかった。

陽に焼けてサングラスして海に行けば、こんな洒落た恋愛が出来るともかぎらない。

仕方なく自分は、湘南の海をあとにして、寂れたピンサロに行ったのである・・・。




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明日のコラムは・・・

『初体験 リッジモント・ハイ(189)』

初体験 リッジモント・ハイ(189)

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映画のなかの花火といえば・・・

古くはヒッチコックの『泥棒成金』(55)、



映画通のあいだで挙がるのは『わが心のボルチモア』(90)や『ナチュラル』(84)、

変わり種、しかも花火ではなく爆竹だが、香港の『哀戀花火』(93)、

少し前の日本産であれば『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』(93)・・・であったのだが、

若い映画ファンのあいだで支持を集めているのは、『海街diary』(2015…トップ画像)のほうかもしれない。

美人と花火―もう、いうことないですな!!


さて。
昔は「なんてこと、ない。」こと、けれども現在では難儀になったこと。

自分が想起するのは、部外者が学校の敷地内に入ることである。

ガキのころは嫌いだったのに、成人以降、妙に鉄棒に郷愁を抱いてしまうというかね。
校庭に忍び込んで、体育のマネゴトをやりたくて仕方ないんだよ。

だから20代のころ、よくアパート近くの小学校の校庭に「勝手に」「侵入し」鉄棒で遊んだものである。

そう。
池田小の事件が起こる前までは、部外者だって(よほどの不審者? でないかぎり)簡単に校庭に入ることが出来たんだ。

いや、いまだってやろうと思えば出来る。
すぐに通報されてしまうがね!!

窮屈な世の中になったものだ・・・と思うけれど、実際にそういう事件が起きた以上、学校側は対策を取らなければならない。

それと同じことが、マンションにもいえる、、、とまで書くと、どこかから注意が入るかな。

マンションは昔から、基本的には住人以外の立ち入りを禁止していた。
けれども、現在ほど「きっちきち」していなかったから、たとえば花火大会の夜、住人に紛れ込んで屋上で見物していようが、それは無問題だったのだ。

自分は19歳の夏、そんな風にして花火大会を見物した。

場所は、調布の南口に建つ高層マンション。
自分はこの区域を担当する新聞奨学生(朝日新聞)だったから、住人さんに怪しまれることもなかった・・・というのもあるけれど。

ひとりで見に行った?

否。

同じ区域を担当する、毎日新聞の女子奨学生Aちゃんを誘ったんだ。

彼女はマンションのエレベーターに乗るとき、「大丈夫? あたしたち部外者だよ」と心配していたが、

「心配ないっしょ。ウチら、イマドキ珍しい、真面目な勤労学生と思われているはずだから」と返した。


「(苦笑)勤労って…」
「俺はちがうかもしれんけど、Aちゃんはそうでしょうよ」
「そうかな」
「大丈夫、ここの住人さんたちとは、ほとんど顔見知りではあるから」


自分の思ったとおりにコトは運んだ。

ただ、住人さんたちに「あんたたち、付き合ってんの?」と冷やかされて困ったが。。。


花火の眺めは最高だった。

あまりにも素敵なのでAちゃんを抱き寄せてキスも「ありかな?」と思ったが、Aちゃんはほんとうに真面目な子なので、それはやめておいた。

いや、まだ童貞捨てたばかりのガキだったから、その勇気がなかったといったほうが正しい。


それから、8年後―。

用事で、夕刻の調布を自転車で走る。

ちょうど花火大会の日だ、自分は思い出に浸ろうと思い、その高層マンションの屋上に上がった。

しかし。
まわりの空気は、あきらかにあの日とちがっていた。

もう勤労学生じゃない―というのもあったろうが、自分は不審者のように見られ、10分も居たら通報されてしまうかのような雰囲気が漂っていた。

やばいな、、、と思って、すぐにその場を去る。


池田小の事件が起こって、2年後のことである。

ほんとうに自分が「不審者っぽかった」という理由のほかに、この事件が遠因にあったような気がしてならない。


「昔は、えがった」というつもりはないが、ちょっと寂しい思いをした、夏の日の出来事であった―。


おわり。


※こちらは、タイトルそのものが「花火」。

本作で、いちばん好きなシーン。
大杉漣のパートではなく、たけしのパートね。

久石譲の軽快な曲に乗せて、パトカー仕様の塗装に励む、なんともユニークなシーン。




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明日のコラムは・・・

『Hey、 Judo』

Hey、 Judo

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五輪、柔道の部がきのうで終了した。

ヘッポコではあるけれども、いちおう柔の道を経験したものとして、自分なりに短評を展開しておこうと思う。


「柔道」が「Judo」になった―と評されるようになって久しい。

カラー柔道着に始まって、
女子の試合時間短縮、
度重なるルール変更に、「指導で優勢」になって以降の「逃げ回り戦術」に批判が集まったり。

批判の多くは正論かもしれない。

野球とベースボール、腕相撲とアームレスリングのちがいに似ているのかな。

けれども。
「それ」が認められている以上、しかも「それ」を納得したうえで参加している以上、敗因を「それ」に求めるのは正しくないだろう。

「それ」についての批判は、ネットのコメントやテレビの解説者だけが言及し、選手たちはヒトコトも発しなかった。

うん、合格。(エラソーだな、自分)


自分も、イマサラ「Judo」に異を唱えるつもりはない。

ただ一点を除いて。

それは、「柔道着をはだけ過ぎ」である、、、ということ。

セクシー選手権じゃないんだからさ、あんなに乱れたまま戦っちゃいけない。
なんのための帯だよって、いつも思う。

そこだけは「柔道」のままであってほしい、あるべきなんじゃないだろうか。


ともあれ監督と選手と家族の皆さんとサポートの方々、おつかれさまでした。

康生、よかったねぇ。
これだけメダル取れば、とりあえずはアアダコウダいわれないだろうから。


さて。
個人的に注目していた選手について、ヒトコトずつ。


(1)女子52kg級、中村美里…銅



MMAに、すっごく興味があるようで。

大歓迎! すぐにでも来てください。

(2)男子66kg級、海老沼匡…銅

いかにも日本男児という顔つきが、すごく好き。

技を磨いて、東京でも頑張ろう。

(3)男子73kg級、大野将平…金

優勝が決まったときの、どんなもんじゃい!! の表情。

柔道の試合で、久し振りにこういうのを見た気がする。

(4)男子100kg級、羽賀龍之介…銅

いちばん結果に驚いた階級。

本人は「寝技で…」みたいなことをいっていたが、そりゃ派手さでは負けるかもしれないけれど、寝技の渋い攻防が好きな、自分のような奴も居るのだから、もっと誇りましょう!!


※自分の世代は、やっぱりこのドラマに感動したわけで。

これがあったから、後年、吉田道場に入門したのであった。




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明日のコラムは・・・

『失、神。』

失、神。

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アマチュアの綜合格闘家だったころの、自分の成績は2勝2敗2分け、ノーコンテストが1回。

周囲からは「なんか、強いんだか弱いんだか、ぜんぜん分からないよね」といわれる。

うん、自分でもそう思う。

2分けの2が1に減り、2勝に加えられて3勝になっただけで・・・

「3勝2敗1分け」

・・・ほら、急に強そうになるのに!!笑


打撃で勝ったことはない。
相手を寝かし、ひっついて、相手の身体を知恵の輪のようにアアデモナイコウデモナイといじり倒し、やがて腕が極まったりして「タップ」(=参った)させるという、一本でしか勝ったことがない、、、というか、勝てない「典型的なグラップラー」だった。

同じ道場に、「あと一歩でプロボクサーになれた」という男Cが居た。

学校もスポーツ特待生として入学、本人の努力を認めたうえでいうが、いわゆるエリートである。

彼はサウスポーで、得意技はフック。
「けっして打たれない」ボクシングを目指し、実際、試合中にほとんどパンチを受けたことがないといっていた。

分野がちがうから比べられないが、自分とはおおちがいだ。

自分の戦績「2敗」は、2敗とも失神KOである。

気づいたら、ヨダレ垂らした状態で控え室に運ばれていた。
トレーナーがいうには、ちょっと痙攣までしていたという。

情けない・・・と自分でも思うが、とても気持ちがよかったことだけ覚えている。

そうなんだ、これは「あるある」だと思うのだが、一発がキレイに決まって失神すると、なぜか気持ちいい。

だから「いちどもKOされたことがない」というCに、

「でもね、経験としていちどくらい。見た感じはダサいけれど、ほんとう、気持ちいいんだって!」

と、半分はジョークでいったのに、彼は真面目な顔をしたままで「いや、自分はいいよ」と返した。

訂正。
真面目な顔ではなかったな、やや不愉快というか、自分とは無縁だとでもいいたいかのような、そんな表情をしていた。

半分はジョークだったのに、マジになりやがって・・・と思ったが、「KOされたことがない」ことが最大のプライドだったCにとっては、たとえジョークであっても、自身が倒されることを想像することはNGだったにちがいない。


それはともかく。
失神ということばは、「神」が入っていて、なんとも恐れ多い。

「失心」とも書くようで、こっちのほうが分かり易いよね。

「神」は「神経」、あるいは「精神」からきたものか。
どちらにせよ「神様」ではないようなので、ちょっとホッと? した。

「神様」の意で失神であったら、あんまり「射精より脱糞より気持ちいいかも~」とか記せないもんね!


※「痙攣」が歌詞に入っている楽曲は、古今東西でもこれだけだろう

♪ みんな元気に、痙攣、痙攣 ♪

攻めてる曲だ。

細野さんの動きがいちばん面白く、そうして、この女の子が徐々に可愛く見えてくるのは不思議・笑




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明日のコラムは・・・

『にっぽん男優列伝(335)森山未來』

にっぽん男優列伝(335)森山未來

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84年8月20日生まれ・31歳。
神戸出身。

公式サイト


ダンスの素養がある。
というより、元々はダンサーだった、けれども演技やってみたら素晴らしかった―そんなキャリアの俳優さんで想起するのは、残念ながら両者とも若くして死んでしまったけれども・・・

『ダイ・ハード』(88)のアレクサンドル・ゴドゥノフと、



焼酎のCMで一般層にも知られるようになった、グレゴリー・ハインズでしょうか。


未來の「來」は「来」じゃなくって「來」、
数日後には32歳になる森山未來(もりやま・みらい)くんもまた、ダンスの分野から演技の世界にやってきた才人です。

ジャズダンスからスタートし、タップ、クラシックバレエ、ヒップホップとなんでも出来る。
そのちがいについて正確に分かるわけもありませんが汗汗、とりあえず身体能力に優れていることだけは(自分にも)分かります笑


未來くんだからこそ、うまくいった・・・であろう『モテキ』(2011)の軽妙な演技はもちろん、




芥川賞受賞作を映画化した『苦役列車』(2012)の演技も悪くない、
もっともっと映画に挑戦してほしいですが、テレビや舞台の世界でも大人気なので、映画のキャリアは少ないです。

ただ親御さんの影響もあるのでしょう、古い映画への造詣がたいへん深いので、いつかきちんとした映画を「自ら」監督するのではないか・・・と思っています。

<経歴>

拓殖大学外国語学部のスペイン語学科に入学。(のちに中退)

実質的な芸能界デビューは、15歳のころに出演した舞台『BOYS TIME』。
オーディション規定は「18歳以上」だったものの、演出家の宮本亜門に「発見」され、異例の起用となったそうです。

いくつかのテレビドラマで注目され、
2004年のヒット作、『世界の中心で、愛をさけぶ』で映画俳優デビューを果たす。

高校生時代の松本朔太郎(サク)、つまり長澤まさみの相手役ですね。

小説版・テレビドラマ版・映画版すべてに触れましたが、ごめんなさい、ちっともこころを動かされませんでした。

本サイトをよく訪れているかたには分かってもらえるでしょうが、自分が最も苦手とするタイプの物語・ジャンルなわけでして。

だから・・・というのは理由にはなりませんが、この時点では、未來くんに対する個人的な注目度は低かったです。


『スクールデイズ』(2005)、『スマイル 聖夜の奇跡』(2007)、
自分が「お! 彼、いいかも!!」と思ったのは『百万円と苦虫女』(2008)からで、
『20世紀少年』(2008)、『フィッシュストーリー』(2009)を経て、テレビシリーズからつづく『モテキ』に主演し、これが大当たり。

こんなに元気が出る日本映画、ここ数年では貴重だと思います。


『ALWAYS 三丁目の夕日’64』(2012)、俳優の伊勢谷友介が演出した『セイジ ―陸の魚―』(2012)、『苦役列車』(2012)、『北のカナリアたち』(2012)、『人類資金』(2013)。

最新作は、秋公開のオールスター映画『怒り』。





予告を観るかぎり自分好みですし、
最近、原作を読み終えたのですが、これがじつに素晴らしかった。

期待値は、日増しに高くなっています。

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明日のコラムは・・・

『にっぽん男優列伝(336)モロ師岡』

にっぽん男優列伝(336)モロ師岡

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59年2月20日生まれ・57歳。
千葉出身。

公式サイト


90年代に入って「唐突に出てきた感」の強いモロ師岡(もろ・もろおか)さんは、
本名は師岡三智雄といって、
ヘンテコな芸名ではありますが、たけし軍団の一員でも、松尾スズキが名付け親でもありません。

でも語呂がよくって、すぐに覚えられるという利点がある、いい芸名だと思います。

ピンとこないひとでも、ムダにテンションの高い、このCMのおじさんといえば分かりますかね。




<経歴>

夫人は、女優の楠美津香。




ひとり芝居を得意としており、強引に括れば「イッセー尾形」系の俳優さん、、、ということでしょうか。
どちらにせよ北野武は「いい顔の無名俳優」を探すの上手だなって思います。

そう、このひとが一般的に知られるようになったのは『キッズ・リターン』(96)から、でしたもの。

有望株のボクサーに悪い遊び―酒、サボり―を教える、ハヤシ役でした。


78年―大学在学中に「劇団現代」のオーディションに合格し、入団。

ストリップ劇場でコントなどの下積みを経験する。
なるほど、いかにも武が好みそうなキャリアですね!!

実質的な映画俳優デビュー作は、95年の『紅~BENI~』。

翌年の『キッズ・リターン』における「居る居る! こういうオッサン!!」な演技が絶賛され、ここから売れっ子となっていきます。

『暗殺の街』(97)、
その場で瞬時に「脚本を書き変える」特殊な能力を持つバッキーさんを好演した『ラヂオの時間』(97)、
『ラブ&ポップ』(98)、『愛を乞うひと』(98)、『英二』(99)。

『ガラスの脳』(2000)、『殺し屋1』(2001)、『模倣犯』(2002)、『Dolls』(2002)、『女はバス停で服を着替えた』(2003)、『デビルマン』(2004)、『北の零年』(2005)、『フライ、ダディ、フライ』(2005)、『容疑者 室井慎次』(2005)、『同じ月を見ている』(2005)、『スマイル 聖夜の奇跡』(2007)、『百万円と苦虫女』(2008)、『フレフレ少女』(2008)、『劒岳 点の記』(2009)、『ゼロの焦点』(2009)。

個人的には、2010年の『悪人』の演技がベストだと思っています。

「バスの運転手」役で、樹木希林を励ますシーンに胸が熱くなりました。

ほんのちょっとしか出てきませんが、そういうキャラクターを丁寧に描く映画って素晴らしいですよね。


『桜田門外ノ変』(2010)、『あしたのジョー』(2011)、『アンフェア the answer』(2011)、『はやぶさ 遥かなる帰還』(2012)、『私の男』(2014)、『春を背負って』(2014)、『ふしぎな岬の物語』(2014)、『マエストロ!』(2015)、『再生 ~霊峰富士に抱かれて~』(2015)、『ジヌよさらば』(2015)、そして公開中の『シン・ゴジラ』(2016)。

最新作は、10月公開の『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』。




クセモノだらけの役者陣のなかで、最も目立っているんじゃないでしょうか。

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明日のコラムは・・・

3連続でいきます、
『にっぽん男優列伝(337)柳楽優弥』

にっぽん男優列伝(337)柳楽優弥

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90年3月26日生まれ・26歳。
東京出身。

公式サイト


現時点における、個人的な「本年最高の日本映画」は、『ディストラクション・ベイビーズ』です。
(ちなみに次点は、『シン・ゴジラ』)

舞台を現代日本に置き換えた『時計じかけのオレンジ』(71)といったらいいのか、「意味を与えることなく」若者の暴力衝動を描き切った怪作。

本作を監督した真利子哲也は、先日のロカルノ映画祭で最優秀新進監督賞を受賞、これをきっかけに興味を抱く若い映画ファンも多いと思われます。

この映画の主演を務めたのが、本日の主役・柳楽優弥(やぎら・ゆうや)くん。




海外の映画祭に縁が深いひとです。

なんといっても、デビュー作でカンヌの主演賞を受賞してしまうのですから。

けれどもこのスタートが、本人にとっては重荷になってしまいます。

「子役あるある」かもしれませんが、その後は低迷し、私生活も荒れた(と、されています)。

曰く「(是枝)監督に、やれといわれたことを、ただやっただけ」

ただ是枝さんが褒めたという「眼力」は、映画小僧たちも注目しました。

あの「目」がなければ、『誰も知らない』(2004)は、「ある高み」に到達していなかったような気がするのです。

<経歴>

夫人は、モデルの豊田エリー。



か、かわいい・・・。

2004年―オーディションで是枝監督に「発掘」され、『誰も知らない』で鮮烈な映画俳優デビューを飾る。

88年に起こった巣鴨子供置き去り事件を材に取った、ひじょうにつらい、、、けれども感動的な物語です。

本作に対しては「実際はもっと悲惨だった」などという批判も起こりましたが、ドキュメンタリーじゃないわけですからね、監督が紡ぎたい物語を紡げばいいわけですよ。

柳楽くんは、まだ中学生。
いきなりカンヌのレッドカーペットの上を歩いてしまったら、混乱もしますよね。




『星になった少年 Shining Boy & Little Randy』(2005)、『シュガー&スパイス 風味絶佳』(2006)、『包帯クラブ』(2007)、『戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH』(2009)・・・と、出演作はつづくものの、興行・批評の両面で不振がつづく。

と同時に体調を崩し、拘束時間の長い仕事―つまり映画―を減らし始める。

2008年―病院に緊急搬送されたことから自殺未遂の報道が流れるも、後日、本人が否定。
2009年は実質的に休業状態となり、体重が80kgを超え「激太り」してしまう。

翌年、ダイエットをして元の体型に戻す。
このころから徐々に映画の仕事に復帰し始めます。

再生出来たのは、エリーさんの存在が大きかったみたいですね。
そりゃあね、あんな美人さんが家に居たら頑張っちゃうでしょうよ。


『すべては海になる』(2010)、『爆心 長崎の空』(2013)、『許されざる者』(2013)、『ゆるせない、逢いたい』(2013)、『クローズEXPLODE』(2014)、『闇金ウシジマくん Part2』(2014)、『最後の命』(2014)、『合葬』(2015)。

『ピンクとグレー』(2016)、『HK 変態仮面 アブノーマル・クライシス』(2016)、『ディストラクション・ベイビーズ』(2016)、そして最新作は蛭子能収が主演する『任侠野郎』(2016)。

公開控えの作品は、来年に発表が予定されている『銀魂』(2017)。


うん、キャリア的にはしばらく安心・・・いや訂正、もうずっと、大丈夫っぽい雰囲気が漂っていますよね。

絶好調でしょう。


次回のにっぽん男優列伝は、役所広司さんから。

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明日のコラムは・・・

『監督って、何者かね』

監督って、何者かね

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たとえばサッカーW杯の日本代表で疑問なのは・・・
それがグループリーグであれ、決勝トーナメントであれ、敗退が決定した時点で監督の辞任が決定すること。

そういう契約なのかもしれないが、4年で結果を残せるほど甘い世界じゃないと思う。
8年、12年、いやそれ以上の長い目で見ていかないといけないんじゃ?
なでしこの佐々木・前監督だって、女子バレーの真鍋監督だって、長い期間を任されていた(いる)わけでしょう?

だから岡ちゃんやトルシエ、ジーコ、オシムの指揮ぶりを、もっともっと見てみたかったという思いが強い。

・・・思いが強い。
・・・・・思いが強いのだが、いや現在だって思っているのだが、

シンクロのコーチに復帰した井村さん、戻ってきてわずか数年で「ちゃんとした結果」をもたらしてしまった。

すげー。

もういっちょ、すげー。すげー。

超のつく特例、、、なのだろうか。

どうなんだろうね?

これは日本柔道「篠原信一から、井上康生へ」にもいえることで、なんだかちょっと篠原さんには酷のような気もするが、
いやでも、あのひと、いま超売れっ子だから、あまり気にしないかもしれない笑


個人的に「どうなんかな、もっと適任居るのではないかな」と思われる監督の筆頭が、サムライジャパン(野球)の、小久保裕紀監督。

いっておくけど、個人攻撃じゃないからね!

でも。
前回の則本の起用、ゼッタイに間違っていたもの!!

古田敦也じゃダメなのかな??


さて。
「責任のすべてを負う」という意味では同じだが、スポーツと映画とでは、監督の役割が同じとは「少なくとも一般的には」思われていないっぽい。
注目される機会が、あまりにも少ないんだもん。

そう自分は、監督至上主義の映画小僧である。
(トップ画像は、わが神・スコセッシ。なんか、お茶目だ)

映画は、映画監督のもの。
やや語弊があるかもしれないが、映画小僧、映画通、映画マニア、シネフィルを自称するひとほど「その傾向」が強い。

けれども一般的には、観る映画を「監督で決める」というひとは少ない。
極めて、少ない。

ジャンル、あるいは俳優で決めるというひとのほうが、圧倒的に多いはずで。

それに関してアアダコウダいうつもりはない。

ただ、「監督のこと、もうちょっと気にしてみてね」とは思っている。というか、願っている。

だって。
雇われ監督という立場もあるにはあるけれども、映画っていうのは基本的に、監督が「これを撮ろう」と思わなければ創られることがないものだから。

たとえば。
監督のことを気にしていないひとが、好きな映画を10本くらい挙げたとする。

すると。
けっこうな確率で、同じ監督の作品が複数入っていたりするもので。

つまり。
その監督との相性がいいってこと。
その監督の編集リズムが、心地いいと感じているってこと。

このことに気づいたひとは、それ以降、映画監督のことを(割と)気にしてくれたりするものなんだ。


そういうひとが、増えてほしいな。
極端なことをいえば、そういうひと「ばかり」にならないかな。

自分は、そんなことを思いながら、日々のコラムを綴っているのでありました。


※スコセッシ本人が褒めた、映画マニアによる「スコセッシVSキューブリック」動画




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明日のコラムは・・・

『形から入る』

形から入る

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映画の世界を意識し、初めて脚本(の、ようなもの)を書いたのは、高校2年のころ。

最も大事なのは自分の脳味噌とセンス・・・だったはずなのに、「まずは万年筆が必要」と考えた。

ボールペンで充分なのにね!

そこで、お年玉とアルバイト代を注ぎ込んで高価な万年筆を買った。

安価なもので充分なのにね!


自分には、そういうところがある。
まず「形から入る」ってこと。


総合格闘技のアマチュア大会に参加していたころ、の話。

アマチュアの大会なんだからショーアップなどされていない、ただただ粛々と試合が展開されていくだけ。
入場時の演出だってそっけない、けれども自分は、リングに上がるまでのコスチュームにこだわった。

オリジナルの、「迷彩柄」柔道着。

※ジャカレイが、同じような柔術衣を羽織って入場したことがあった



オーダーメイドだから異様に高く、道場長には「そんなことより、練習やれや!」と怒られたっけ。


チャリダーを自称し始め、ロードバイクに乗るようになってからも同様。

ロード本体だけでなく、ヘルメットも質のいいもの、ふつうでないデザインのものを選んだ。

※これも目立ちそうで、ちょっとほしい




変わったデザインのものはともかく、金をかけ過ぎるのってどうよ。

分相応でない、ことは明らか。
付き合う子と揉めるのも、大抵はこういうところ―つまり経済感覚であり、それは自覚していることなので、現在のハニーには口座はもちろん、財布も管理してもらっている。

ただ昔であればそれで充分だったかもしれないけれど、
ネット社会となった現代では、クレジット決済や「おさいふケータイ」があるからね、ついついクリックしたくなる。

先週もきのうも、クリックしようとする右手を左手で食い止めた。

アル中みたいなものかもしれない、
少しは将来を見据えないとね・・・って、42歳のオッサンが自覚するには、あまりにも遅過ぎるのだが。。。


※いつ観ても、何度観てもワクワクする煽りVじゃ




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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(177)』

シネマしりとり「薀蓄篇」(177)

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かーちぇい「す」→「す」ーつあくたー(スーツアクター)

『スター・ウォーズ』シリーズ(76~)の人気キャラクター、R2-D2「の、なか」に入っていたケニー・ベイカーさんが亡くなった。(8.13)



コンピューター操作であることを疑わなかったので、「の、なか」にひとが入っていることを知ったときは、たまげたものである。

ベイカーさんのようなひとを、スーツアクターという。

ただしこれは和製英語なので、向こうでは通じない。
あくまでも、日本の、この業界のみで使用されていることばである。

つまり、着ぐるみなどを着用して演技をするひとたちのこと。

だから、ふなっしーやぐんまちゃんなど「ゆるキャラの、なか」に入っているひとたちも、スーツアクターといっていいだろう。


※『ガキの使い』の「着ぐるみトーク」は、スーツアクターたちの休憩場所における無駄話、、、をイメージしている




キャラクター自身には陽が当たるものの、「の、なか」に入っているひとたちが注目を浴びることは少ない。
「そうでなければいけない」はずだが、なんとなく悲哀というものを感じさせる職業、、、でもある。

そこを描いたのが、2014年に公開された『イン・ザ・ヒーロー』。




主演の唐沢寿明は、実際にスーツアクターとして活動していた時期があり、思い入れが強かったのかな、ふだんの演技も「熱演系」だけど、本作はそれ以上に熱量が高かった。


現在、大ヒットを記録している『シン・ゴジラ』のゴジラもまた、スーツアクターが演じる怪獣「だった」。

「だった」を強調するのは、今夏のゴジラは全編がCGだから。

ただそれは「CG隆盛の現代ゆえ」という安易な発想ではなく、アンノ監督ならではの意図がある。
その意図をここで明かすことはしないが、狙いは外してはいない―個人的には、そう思っている。


さて。
スーツアクトの経験がない我々が想像するのは、「暑いだろうな…」ということ。

実際にスーパーの屋上などで「ヒーローショー」を展開したことのある友人によると・・・

「そりゃ暑いよ!!」とのこと笑

「すげー汗かくし」
「その割にはさ、太ったままだよね」
「…そりゃ、あれだよ。それなりの給料をもらうから、いっぱい喰っちゃうし」

まぁたぶん、自分がやってもそういうオチが待っていると思う。


暑いこと。
そこそこの給料をもらえること。

・・・は、分かったが、どんなひとがスーツアクターになるのかっていうと。

これも想像どおりで、大抵のひとが「俳優志望」である。

友人によると「8割が、そう」だが、「1割にも満たない確率」ではあるものの、「スーツアクターそのもの」を志し、実際にそうなったひとも居るという。

イケメンだし、俳優としても成功しそう。
実際にプロダクション関係者からスカウトもされたが、それを断ってスーツアクターをつづけているひとが居るらしい。

スーツアクター仲間のほとんどから「お前はバカだ」といわれたけど、彼はそれを無視してスーツアクトをつづけたんだって。


自分が同僚であったら、またちがう考えかたをしたかもしれないけれど・・・

なんだかちょっと、未来を信じられるような気がして、少し感動した自分なのでした。


あすのしりとりは・・・
すーつあく「たー」→「たー」みなる。

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(178)』

シネマしりとり「薀蓄篇」(178)

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すーつあく「たー」→「たー」みなる。

ターミナル(terminal=終わりの、末端の、終末の、終点の、終着駅の、末期の)という英語をきっちりと理解していなかったころ、『ターミナル・ベロシティ』(94)という米映画が公開され、

なんだこの、分かり難いタイトルは!! と思ったものである。

いまでも、そう思っているけれどね。

簡単にいえば、「自由落下の終末速度」という意味。

これでも分からん!!

「物体が重力または遠心力などの体積力と、速度に依存する抗力を受けるときに、それらの力がつりあって変化しなくなったときの速度」

ぜんっぜん、分からん!!


映画は、チャーリー・シーンとナスターシャ・キンスキーが主演したアクション物である。




スカイダイビングの世界を描いており、前半でナスターシャが「自由落下の終末速度」の説明をしている。

速度とパラシュートの関係―少なくとも本コラムよりかは分かり易いので、詳しく知りたいひとはどうぞご覧になってください笑

映画としては、同時期に公開された『ドロップ・ゾーン』(94)よりクオリティが高く、「超」はつかないけれど「軽く」はお薦め出来る快作になっているし。
(不思議なんだけど・・・「同テーマ」の映画って、公開時期が重なってしまうことが多いのだよなぁ)


さて、「終着駅」という意味での「ターミナル」。

映画だとすぐに、スピルバーグ×トム・ハンクスの『ターミナル』(2004)、



クラシックファンであれば、ヴィットリオ・デ・シーカによる佳作『終着駅』(53)を想起するだろう。

『銀河鉄道999』シリーズ(79~)にも、「アンドロメダ終着駅」というのがあったなぁ。

舞台設定としてはドラマチックで、いろんなことを想像出来る。
出会いというよりは別れを思わせるので、悲恋の舞台にはぴったりか。

しかし日常生活においては、自分にとって終着駅は無縁に近かったりする。

基本チャリダーであるからして、あまり電車に乗らないし。
どこそこの路線の終着駅がどこかっていうのは、ひとつも分からない。

ただ終着駅という日本語ではなく、ターミナルという英語にすれば「多数の路線を束ねる」という意味もあるそうで・・・

そうなると、大きな大きな新宿駅だってそうであろうし、
各地域に存在するバスターミナルはとっても身近だし、
あぁそれよりか、映画のように、「空港としての」ターミナルだと無縁ではなくなってくる。

私事? ですが。
おととい、11月のニューヨーク取材(格闘技ね)が決定したばかりであり、ちょっと浮かれていてね。


映画のほうの『ターミナル』は、パスポートが無効となり、空港内(ターミナル)から出られなくなった男の悲喜劇を描いている。

ゾッとするよね。

自分なんて運転免許証を持っていないので、写真つきの身分証といえばパスポートくらいで。
仕事柄、各国に飛び回っており、このパスポートはちょっと自慢でもあるんだ。

それが無効になることは現実的には考えられないけど、なくす可能性は充分にあるわけで。

先日もクレジットカードなくしたばっかりだし汗汗、気をつけなくちゃ。
日本でならまだともかく、あっち行ってからなくしちゃったら、コトだからね!!


次回のしりとりは・・・
たーみな「る」→「る」ーと。

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明日のコラムは・・・

『アスリート10』

Boys Don’t Cry

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五輪と甲子園がほぼ同時に終わってしまい、寂しさが2倍でやってきた。

今朝スズムシの鳴き声を聞いたことも手伝って、あぁ夏も終わりか、涙とザーメンばっかり流すだけで、自分自身はなにもやらなかったな今夏は、、、と。


~リオ五輪、個人的5傑~

(1)三宅宏実(重量挙げ)の、バーベルに「すりすり」してありがとう



(2)伊藤美誠(卓球)のドヤ顔

(3)転倒したふたり(陸上女子5000)の助け合いゴール



(4)井上康生監督(柔道)の男泣き

(5)大逆転(バドミントン女子ダブルス、高橋礼華・松友美佐紀)のカタルシス


元々が涙もろいほうだが、30代後半くらいからは、俳優出来るんじゃね? と自信を持ってしまうほどに「すぐに泣ける」ようになった。

今夏もよく泣いたが、先輩ライターと話したのは、スポーツに触れて流す涙と、映画に触れて流す涙は、ちょいとちがうよねと。

その感動的・感傷的な場面だけでなく、そこから透けて見える人間ドラマやらなんやらまで想像したうえで泣く・・・という意味では、スポーツも映画も変わらないけれど。。。


というわけで。
何度もやっている気がするのだが、あらためて、個人的に泣ける映画の10傑を。

みんな泣きたいと思っている、、、ということだろうか、映画小僧を自称していていちばん投げかけられる問いが、

「泣ける映画は、なんですか」というもの、なのである。

自分は「ヘンクツなので、参考にならないと思うけど」と前置きをしたうえで、以下の10本を挙げるようにしている・・・が、ね、やっぱり参考にならないでしょう?笑


(1)『奇跡の海』(96)

後半40分くらいは、ずっと泣いていたかと。



(2)『ロッキー2』(79)

エイドリアンが難産。
練習もしないで、ずっと付きっきりのロッキー。

(3)『カノン』(98)

ラストはもう、嗚咽にちかかったなぁ。

(4)『ファースト・ミッション』(85)

成龍のアクション映画で?
と問われることも多いが、兄弟愛に泣けてしょうがなかった。



いま泣けるかと問われれば、疑問だが苦笑

(5)『サイダーハウス・ルール』(99)

鏡を見て髪を整えるメアリーアグネス。

ハルストレム監督は、少年少女を描くのがほんとうに巧い。




(6)『ボーイズ・ドント・クライ』(99…トップ画像)

けなげに弱いので、主人公の涙ぐましい努力が・・・。

(7)『レイジング・ブル』(80)

タイトルマッチの誘惑に勝てず、八百長に協力してしまった主人公・・・。

(8)『砂の器』(74)

「オラ、知らねー!」に、泣けて泣けて。

(9)『エレファント』(2003)

みんな、哀しい。

若者たちをそんな風に描く、サント監督の優しさが泣けてくる。

(10)『マグノリア』(99)

ラストの涙に、もらい泣き。




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明日のコラムは・・・

『初体験 リッジモント・ハイ(190)』

初体験 リッジモント・ハイ(190)

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自分は現在42歳で、ハニーは、一回り以上も下の25歳。

よく犯罪だよ! といわれるが、情熱的に口説いたのはこっちだけど、実際に付き合うようになってからは向こうがメロメロなんだからね!! とは返すものの、誰も信じてくれない。

まぁ美女とキチガイを地でいくカップルなので、それはしょうがないことか。


それほど恋愛遍歴があるわけではないが、相手は常に年下である。
同い年でさえ、恋仲になったことはない。

年齢を知ってから好きになる、、、なんて器用なことは出来ないので、すべて「たまたま」なんだ。


よく聞かれるのは、「話があう?」ということ。

自分は常に「努力はする」と答えている。

年齢の壁を超えられるのは、身体の相性のほかには、もう努力しかないでしょうよ。


けれどもいちどだけ、年上を好きになったことがあった。
しかもまた極端なことに、一回り以上も上の女性。

自分は24歳、相手は44歳だったと記憶する。

そんなわけで今回の初体験シリーズは、「初めて年上の女性を好きになった」エピソードでいってみよう。


広告会社に勤務する27歳のモテ男が、43歳のレジ係と恋仲になる『ぼくの美しい人だから』(90)。



老人と少女の奇妙な結婚(と、破綻)を描く、韓国産の『弓』(2005…トップ画像)。

年上の女、ハンナの肉体に溺れるマイケルを描く『愛を読むひと』(2008)。


映画でも様々な「年の差」カップルが描かれるが、それ自体は現実世界でも「さほど珍しくなくなってきた」ので、特異なことのように捉えるひとも稀、、、とはいえないかな、アアダコウダヤンヤヤンヤいうひとはね、いつの時代だって存在するのだから。


自分がそんなだから、他者の恋愛で驚くことは少ないほうだが、それでも「御伽ねこむの件」は、びっくりはしたかな。



人気のコスプレーヤーだが、20歳の彼女は、52歳の漫画家・藤島康介と結婚を発表した。
と同時に妊娠も発表、皆は数ヶ月後の出産だろうと想像していたが、発表して1ヶ月も経たぬうちに子どもが生まれたのでズッコケたと笑

まぁ人生いろいろ、
人生いろいろであるからして、考えかたもいろいろ。

年の差を気持ち悪いといわれれば、そうかもしれないとも思ったり。

男の場合はとくに、相手が下であればあるほど、ロリータ臭・犯罪臭が漂ってしまうだろうからね~。
(ねこむ×藤島の件が話題になったのは、まさにそこだろう)


自分は20代のころから「幼めの」「でも犯罪には、ぎりぎりならないラインの」女子が好きだった。
だったはずなのに、そのときは、Iさんしか見えなくなっていた。

44歳。
ではあったが、30代前半で通る見た目だった。

バツイチ。子持ち。
そういわれなかったら、高校生の子どもが居るとは想像もつかなかった。

Iさんはラブホテルの支配人で、自分はそこの清掃員だった。

Iさんに気に入られたくて、自分はすすんでサービス残業をおこない、その褒美にと、Iさんは頬にキスしてくれたのである―。


つづく。


※この映画の勝因は、ケイト・ウィンスレットの身体でしょう




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明日のコラムは・・・

『初体験 リッジモント・ハイ(191)』

初体験 リッジモント・ハイ(191)

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きのう敢えて取り上げなかった「年の差恋愛」映画が、61年版と97年版の『ロリータ』。

ヘンタイ小説の古典といっていい、ナボコフの原作も読んだ。
ふたつの映画も、2~3度繰り返し鑑賞した。

61年のキューブリック版は、まぁ彼女の所為だけには出来ないが、肝心のロリータ役(スー・リオン)に魅力を感じることが出来なかった。



97年のエイドリアン・ライン版は、キャスティングの点では合格だった。
ドミニク・スウェインはキュートだし、ジェレミー・アイアンズも本領発揮の「静かなヘンタイ演技」を披露してくれたし。



ただ演出面で疑問に残るところが多々あり、惜しいな、、、という出来だった。
ともあれ映画としては、キューブリック版よりリメイク版のほうが勝っている―と、個人的には思う。


ところで自分の知り合いに、40歳なのに20代後半に見える童顔の女子が居る。
身体も小さい彼女は、この97年版『ロリータ』をとても気に入っていた。

「どこらへんが?」
「・・・あたしも、同じような感じだから」
「・・・ロリータと、・・・同じ?」
「あたしは意識してなかった。でも、周りの男たちが、そういう風に見てきたし、そういう風に接してきたから」
「本意ではなかった?」
「もちろん。ひとりの女として、見られている感じがしなかったし」
「男に幻滅した?」
「そういう時期もあったけど。いまは、なんていうか、いとおしく感じるかも」


いいトシこいたオッサンが、同世代の女子とうまく対峙することが出来ないから、幼い子に手を出す―きのう書いたように、ロリコンの世界は犯罪と結びつき易いため、そんな風に批判されがちだ。

批判の多くは正論だろう。

ただ『ロリータ』の物語に眉をひそめるひとが、ヒット作『レオン』(94)で涙しているのだけは、否!! といっておきたい。

いや、べつに泣くのは自由だけれども。

あれは監督ベッソンが「遠まわし」にいっているように、オッサンと少女の恋愛映画だからね。


・・・と、いろいろヘンタイの物語を擁護してきたが、繰り返しいうように、自分は社会的に許される範囲内のロリコンなんだからね汗汗


さて。
自分が「初めて年上の女性を好きになった」エピソード、、、のつづき。

自分は当時24歳で、ラブホテルの支配人だったIさんは44歳。

皆が嫌がる仕事を率先してやれば、膝枕のご褒美。

サービス残業をすれば、おでこやほっぺにキス。

休日出勤までして、(これをいうと引くひとも居るのだが)脱ぎたてのストッキングをもらったこともあった。


あぁそうだよ。
分かっているさ、たぶん「いいように使われていた」のだろうし、もっといえば遊ばれていたのかもしれない。

それでも、よかった。

Iさんに、完全に惚れていたから。
一瞬であったが、本気で結婚を考えるくらい惚れていた。


敵は多かった。

Iさんは、44歳とはいっても、30代真ん中くらいに見えた。
ヌード写真集を出したころの樋口可南子に似ていて、とっても色っぽい。

だから、アメニティなどを扱う業者からの人気も高かった。

彼らは用が「なかったとしても」ホテルのフロントに訪れ、Iさんとの会話を楽しむほどだったのである。


つづく。





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明日のコラムは・・・

『初体験 リッジモント・ハイ(192)』

初体験 リッジモント・ハイ(192)

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さて、きょうは寄り道をせずに、24歳のころの自分と、



44歳のラブホテル支配人との「年の差恋愛」エピソードを。

・・・って、厳密にいえば恋愛ではなかったのだろうが。

とはいえ自分は本気で。

実際にデートを重ねた。

身体も重ねた。

ラブホテルの支配人が、別のラブホテルを利用して男を抱く。
そうね、この表現は適切。
自分に抱かれるというよりは、彼女が抱いていたにちかい感覚だったから。

当然、その関係は職場で噂になる。

年齢のちかい従業員同士の色恋であれば、噂になっても「あるある」で済むが。

年は離れているし、トップと従業員の若造だし。
だから「気持ち悪い」と陰口をいわれ、段々と居心地が悪くなっていった。

それでも気にしなかった。
文字どおり、Iさんの身体に溺れていたのだと思う。


しかし―。
ある日の深夜、Iさんは17歳になる娘を職場に連れてきた。

職場見学はよいこと? だと思うが、場所が場所である。
でもそれは古いのか、
平成の17歳は立派な大人だし、ラブホテルの「いかがわしい」というイメージも昭和の感覚、現在のラブホテルはアミューズメント化が進み、妖しい雰囲気は微塵もない。
神田うのが「子ども連れていって、なにが悪いの~」と「いつもの調子」で発言し叩かれたが、でもまぁ、彼女のような考えを持っているひとだって居るだろう。
(実際に、子連れで宿泊する夫婦も居る。エッチしたとして、子どもはどこに居るのだろうね?)


娘さんは「あの部屋が見たい」「この部屋が見たい」と興味津々で、実際に部屋を見ては「きゃっきゃ」騒いでいた。

その時点で、ややクールダウンしていた自分。

娘が居ることは知っていたが、現役女子高生を目の当たりにして「その、お母さん」に恋しているということに、若干の違和感を抱いてしまったのだった。

そんな気分で部屋の清掃をしていると、フロントに居るIさんから連絡が入る。

「102号室、入ってもらえる?」
「入るんですか」
「女の子、ひとりなの。彼氏が来ないんだって」
「・・・自分が入って、どうするんですか」
「きょう、誕生日だっていうのよ。泣いていて。話し相手になってほしいって」
「・・・自分が、話し相手になるんですか」
「うん、そんなことは従業員の仕事じゃないことは分かってるけど」
「えぇ、そうですよね。自分だって気まずくて、どうしたらいいか分からんですよ」
「・・・そうだよね~。でも、可哀想で」
「・・・・・」
「キスとかでも、動いてくれない?」

・・・うん、だから、やっぱり、前日に書いたように遊ばれていたのだとは思う。
それでもぜんぜん構わなかったが、この日だけはちがった。

キスをご褒美に、無理をいってくるIさんのことが、ちょっとイヤになった。

ただ、102号室には入室した。
やましい気持ちがあったわけではない、、、というと格好つけ過ぎだが、誕生日にひとりでラブホテルで過ごす女子のことを、真に気の毒と思ったから。

彼女は酔っていたし泣いてもいたが、想像していたより冷静だった。

妻子持ちの彼を待っているが、3時間経っても来ない。
自身は「2番目」であることを自覚し、自嘲し、「みじめだよね」と呟く。

酒をすすめられ、自分も呑みたい気分だったので、勤務中だが乾杯した。

正味40分程度、しかし決断? するには充分な時間で、それは彼女も同様だったみたい。

彼女は「もう別れる」といい、自分が退出するとすぐにチェックアウトした。

自分は、そのことを報告するためにフロントに行く。

Iさんは自分を見るとすぐに抱きしめてキスをしたが、きのうまでとはちがって欲情しなかった。出来なかった。

自分がこのアルバイトを辞めたのは、その2週間後である。


急に冷めた、その理由―は、はっきりしているようで、はっきりしていない。

けれども。
月並みな表現にはなるが、いまとなっては、甘酸っぱい想い出ではある。

Iさんは、現在62歳。
風の噂で、いまも元気に地方のラブホテル支配人をやっていると聞いた。

きっとまだ、魅力的なままなのだろうと思う。



おわり。





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明日のコラムは・・・

『ゴジ圧勝』

ゴジ圧勝

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まだ暑いが、スズムシも鳴き始めたので、自分にとっての夏は終了・・・というわけで、夏の映画の総括をしておきたい。

総体的に見て、去年より不調なのはまちがいない。

なぜなら、批評的にも興行的にも、

(1)『シン・ゴジラ』

の、圧勝だったから。

ある程度のヒットは予想していたが、まさかこれほど入るとは。

すでに4度観た自分が「文句なく面白い」ということを強調したうえでいうが、対抗馬が「ないに等しかった」というのも勝因のひとつだろう。


「映画でも観るか!」と思ったときに、観たいものがないことほど不幸・不運なことはない。

今夏、『シン・ゴジラ』はその役目を一身に背負っていたともいえると思う。


(2)『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』

闘う脚本家の物語。

これを観たあとに『ローマの休日』(53)を観返すと、なんともいえない感慨に襲われる。

(3)『イレブン・ミニッツ』

映画小僧にはたまらない佳作。

時間軸をいじくった群像劇だが、想像のはるか「斜め上」をいくエンディングに、誰もが絶句することだろう。





(4)『ペット』

いわば動物の世界の、『トイ・ストーリー』(95)。

『シン・ゴジラ』はアクが強過ぎるので、小さい子どもが居る家族には、こちらを薦める。

(5)『健さん』



高倉健の生涯、俳優哲学を多角的に検証するドキュメンタリー。

じつはそれほど「健さんLOVE」ではないのだが、スコセッシも顔を出しているので観にいった笑




5傑は上のとおりだが、それほど感心しなかったのは、新生の『ゴーストバスターズ』か。

リケジョが活躍するアクション―と捉えれば「それなりに」楽しめるのだけれども・・・

あぁそういや自分、そもそものオリジナルにピンときていなかったのだった。

ゴーストのキャラクターはユニークかもしれないが、どうしても、あれをゴーストと思うことが出来ないんだよね~。

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明日のコラムは・・・

『鮮、烈。』

鮮、烈。

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先日―。
映画好きの呑み会が久し振りに開かれて、きのうコラムで展開したように夏の映画の総括や、今後の期待作などを出し合って、おおいに盛り上がる。

3時間の予定が5時間に、5時間が7時間に・・・それでも話し足りず、「来週、後半をやろう」と約束して別れた。


5人の映画好きの呑み会で、いちばん盛り上がったのが「若いころに鮮烈な印象を残した俳優」。

現在も活躍しているかもしれないが、キャリア初期のインパクトが大き過ぎて、受け手は未だその印象を引きずっている―そんな俳優たちを挙げていくという企画。

自分は以下の10人をひねり出したけど、漏れたひともいっぱい。


皆さんは、誰を挙げますか?


(1)山崎努…『天国と地獄』(63)

大御所に囲まれても、ぜんぜん怯んでいないぜ!!



屈折した犯人を怪演し、インパクト充分。

(2)ジュリエット・ルイス…『ギルバート・グレイプ』(93、トップ画像)

レオくんと思ったでしょう?

でもこの映画に関しては、男子はジュリエットに目を見張ったのではなかろうか。

で、レオくんは、というと・・・

(3)レオナルド・ディカプリオ…『ボーイズ・ライフ』(93)

こっちのほうだと思う。



(4)シシー・スペイセク…『キャリー』(76)

オーディション会場に「タール塗りまくって」現れた―その、気迫で勝ち取った役だもの。

(5)田口トモロヲ…『鉄男』(89)

当時から「知るひとぞ知る」の存在だったようだが、自分は本作が初対面だった。

演技が上手なのか下手なのかも分からなかったが、死ぬまで忘れない演技だとは思った。

(6)エドワード・ノートン…『真実の行方』(96)

この変わりよう。

リチャード・ギアも、ビビってる!




(7)ソーラ・バーチ…『ゴーストワールド』(2001)

共演したスカーレット・ヨハンソンは、この映画ではバーチの引き立て役に過ぎなかった、、、のだが。

(8)ウィノナ・ライダー…『ヘザース』(88)



映画の魔力に取り憑かれたころ、ノニーに出会った。

(9)エミリー・ワトソン…『奇跡の海』(96)

あの目にやられた。

無償の愛って、あり得ることなのだ・・・そう信じてしまうほどの強い目だった。

(10)オーソン・ウェルズ…『市民ケーン』(41)

天才現る! という感覚って、こういうことを指すのだろう。

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明日のコラムは・・・

『トイレットペーパーマン』
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