シネマしりとり「薀蓄篇」(74)
まんがのじっしゃ「か」→「か」いるくーぱー(カイル・クーパー) 予告編もエンディングも、そしてもちろんオープニングの映像も「映画の一部」。 だから映画小僧は、予告編が流れた段階から真剣にスクリーンと対峙するし、エンディングになっても席を立つことはない。 そのことを誰よりも早く理解していたのは「たぶん」アルフレッド・ヒッチコックで、彼は自分で予告編を創り、オープニングも凝りに凝った。...
View Articleピ! 的なもの
基本チャリダーだから、電車には「めったに」乗らない。 1年間を通して10回も乗ればいいほうかな。 そんなわけだから。 電車に乗ることが新鮮で、キョロキョロキョロキョロ周囲を見回してばかりいる。 かなり落ち着きのないアブネーおっさんなのだが、先日、たまたま乗ったJR横浜線の車両が新型だったようで、いわゆる「撮り鉄」のひとたちでごった返していた。...
View Article黄金週間特別企画(1)まる、さんかく、しかく。
ちょいとフライング気味だとは思うが、早いひとは明日より長期連休だとか。 映画業界の造語だったはずのゴールデンウィーク―これを記念して、本日から10日間くらい「映画小僧による10傑シリーズ」を展開することにしよう。 その第1弾は、三角関係。 男2VS女1、あるいは女2VS男1、変化球としては男3、女3、もっと奇をてらえば男1VS女1VSヒト以外の動物、、、とか。...
View Article黄金週間特別企画(2)ひとが、わんさか。
ヒトひとりの内面をきっちり描くには90分近くを要する―だから映画は90分くらいがちょうどいい、なんてなことをシナリオ教室で教えるセンセーも居るけれど、 『グランド・ホテル』(32)によって「ひとが、わんさか。」でも「それぞれの人間の内面」を描けることは証明されており、 自分は単一を描く映画も好きだが、複数を描く映画は「もっと」好きだ。 複数を描くドラマを「群像劇」という。...
View Article黄金週間特別企画(3)ひとりぼっちの、よる
♪ ひとり上手とよばないで こころだけ連れてゆかないで あたしを置いてゆかないで ひとりが好きなわけじゃないのよ ♪ (中島みゆき、『ひとり上手』) ひとりの空間ではなく、その他大勢が存在する空間でこそ、ほんとうの孤独を実感することが出来る―なんてエラソーに書いてはみたけれど、自分はほんとうの孤独を経験したことがあるかな、、、などと考えてみる。 あるかもしれないし、ないかもしれない。...
View Article黄金週間特別企画(4)あく、たい
口喧嘩をする。 議論、ではなく、あくまでも口喧嘩。罵り合い。 悪態をつく行為というのは、そんな過程で生じるもの。 間近で「そのサマ」を見た経験があるので、有名人の最強・最凶「悪態つき」を挙げろといわれれば、自分にとってはデヴィ夫人か。 このひとの豹変ぶりはすごい。 キレどころも分からないから、受けるほうは「???」で、罵詈雑言を浴びるほかない。...
View Article黄金週間特別企画(5)せんせい
学生時代に出会った先生で、印象的だったひとを思い出してみる。 <小学校時代> 休み時間中、パンツを下げて女子にちんちんを披露して恐れられて? いたのだが、担任に怒られてやめた。 「たいして大きくないんだから、恥ずかしいと思え」 そうか、自分のは大きくないのか―ガツンとやられた。 <中学校時代> 申し訳ないが、とくになし。 <高校時代>...
View Article黄金週間特別企画(6)け、けだもの…
愛らしいのか、恐ろしいのか。 アーティストが創造してみせる「実在しないイキモノ」に中間はなく、そのどちらかになるのだろう。 そりゃそうか。 実在しないイキモノなんだもの、実在するものに近づけても面白くはない。 左右どちらかに振り切ってしまったほうが、映像的なインパクトを期待出来るというものだ。 でもね。 ヘビやイグアナを可愛いというひとも居れば、映像でさえ顔を背けるほど苦手なひとも居て。...
View Article5月は、カンヌの月。 + 4月コラムの目次
「ほぼ映画」のコラムを「ほぼ毎日」アップし続けて、10年とちょっと。 そんな映画小僧にとって3月と5月は特別な月・・・ということは、それこそ「ほぼ毎年」主張していること、かもしれない。 3月は米オスカー賞が、5月はカンヌ映画祭が開催されるから。 そんなわけで、5月である。 今年の審査委員長は『ピアノ・レッスン』(93)で有名なジェーン・カンピオン、...
View Article黄金週間特別企画(7)りさいくる
映画監督の耳は、ダンボの耳―というのは、よくいわれること。 いや、それは嘘か。 ただ、井上ひさしが「いい映画監督は、たいてい耳がいい」といったように、音選びのセンスの良さと監督の手腕というのはイコールであることのほうが多い。 「この曲を使って、この出来か!」 という失望は滅多になく、 「この場面で、この曲を使うのか!!」 という感嘆は「けっこう」ある。...
View Article黄金週間特別企画(8)りさいたる
歌手を本業としているひと―たとえばマドンナとか、エミネムとか―が出演しているケースは別にして、 映画のなかで俳優さんが歌声を披露し、それが抜群に巧かった場合、 天は二物を与えるんじゃねぇか!! などと嫉妬を覚えることはせず、ただただ凄いなぁと感心してしまう。 最近の例でいえば、『レ・ミゼラブル』(2012)。 この映画に出ている俳優さんは皆、歌手を本業としているひとではないのだもの。...
View Article黄金週間特別企画(9)りありずむ
小さな「ほんとう」を積み重ねて、大きな「うそ」を吐く。 それが、映画というもの―誰のことばなのかは知らんが、いい得て妙というか、映画とはなにかと問われた場合、こう答えるのが正解のような気がする。 リアリティを目指そうが、ツクリモノはツクリモノ。 それでも創作者は「ほんとうに起こった出来事」のように映画を創る。 (まぁこれは、映画にかぎった話ではないが) 実録モノと呼ばれる映画ジャンルがある。...
View Article黄金週間特別企画(10)りっち
日常会話で「億万長者」ということばを使ったことがない。 使ったことがないし、使っているひとに会ったこともない。 「金持ち」「リッチマン」のほうが通用し易いので、大抵はこのふたつのことばを使う。 だからであろうか。 QTタランティーノの出世作『パルプ・フィクション』(94)において、ハーベイ・カイテルが「君のおじさんは億万長者なのか?」という台詞があって、その日本語字幕に違和感を抱いたのだった。...
View Article黄金週間特別企画(11)りぼーん
リボーン・・・reborn、いや、re−bornか。 生まれ変わること。 再生すること。 復活すること。 輪廻的なもの―を信じたい気持ちもあるが、身体の・精神の・頭脳の再生のほうが現実的だろう。 自分? 傷心しても、そうだなぁ、酒と煙草とうまいものと、それから女子の脚があれば立ち直れる。 その程度の男ともいえるし、その程度で再生可能な傷しか負ったことがない、、、ともいえる。...
View Articleアナ、より「断然」とーちゃん
黄金週間が終わった。 ほぼ毎日仕事で、チャリ移動を繰り返していたけれど、どこへ行っても「ひとだらけ」だった。 子どもは当然だが、大人もすげぇ多い。 サービス業をメインとして3割くらいなのかな、連休知らずの職業って。 映画館も「そこそこ」盛況だった。 これは仕事としてでなく、責務と思っているのだが、用もないのに映画館に足を運んだりする。 動員数リサーチのためにね。...
View Articleそこそこ、程度の男子でした。
このくらい毎日かましている? と、 「よくつづくよねぇ。昔から、書くことが好きだったの? 国語も得意だった?」などと聞かれる。 まぁ不得意ではなかったが、「大」得意というわけでもなかった。 その証拠として、通知表を載せておこうか。 ※中学時代の通知表 ※高校時代の通知表 ・・・まぁ、こんな感じ。 中学時代の体育はほれ、肥満児だったからね。...
View Article怒れる牡牛の物語
第18部「デニス・ホッパーの物語」〜第3章〜 前回のあらすじ 「この長い映画の歴史のなかで、重要視される5作品をあなたが選ぶとしたら、どの作品を選びますか?」 「『市民ケーン』、『黄金』、『大人は判ってくれない』、『第七の封印』。それと黒澤やヴィットリオ・デ・シーカの作品かな」(デニス・ホッパーへのインタビュー)...
View Articlesun−glasses
ここのところ日差しが強いので、夏には早いのに「もう」肌が焼けてきた。 長距離チャリダーだからね、 数時間もTシャツ&ハーフパンツの格好で疾走していれば、そりゃあ黒くなるわな。 女子には「ゼッテー色白! 美白! だからゼッテー焼かないで!!」などとエラソーに注文をつけておいて、自分は黒くなるの、ぜんぜん平気なのだった。...
View Article初体験 リッジモント・ハイ(73)
「○○の日」などと無関係に、「ほぼ映画」について書き散らしている本ブログではあるが・・・ たまには世間とあわせて? みようか、 というわけで初体験シリーズ、今回は「母の日」でいってみることにする。 「自分のかーちゃんではなく」自分が母親からイメージすることばは、やっぱり「強く」「優しい」となり、それは結局、自分のかーちゃんにも当てはまることだったりする。...
View Article初体験 リッジモント・ハイ(74)
上京した日(3月12日)の2日後には新聞奨学生として働き始めたので、いわゆるホームシックには罹らなかった。 奨学生はみんなそうかな―と思ったが、同日に静岡からやってきたKくんは「寂しい」「帰りたい」「都会怖い」「新聞触りたくもない」とひどいホームシックに罹っていたっけ。 (彼は「田園に囲まれて育ったから」といっていたが、自分の田舎もそんな感じだったんだけれども)...
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